『不適切にもほどがある!』松尾潔「時代の功罪をフェアにジャッジ」と評価
TBS系金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』が好調だ。音楽プロデューサー・松尾潔さんもこのドラマにハマるひとり。2月12日に出演したRKBラジオ『田畑竜介 Grooooow Up』では「昭和と令和、どっちの時代も完璧ではない。よりよき未来のために、何を残し何を育てていくべきか、時代の功罪をフェアにジャッジしていく、そんなきっかけにもなれば」とこのドラマについての考察を語った。
宮藤官九郎と同じ時代に生きる幸せ
宮藤官九郎さん脚本、阿部サダヲさん主演のTBS系金曜ドラマ『不適切にもほどがある!』が大変話題になっていますね。僕もドラマで久々に放送をわくわくしながら待っていて、先週金曜日(2月9日)の第3話も期待を裏切らぬ面白さでした。宮藤官九郎さんと同じ時代に生きている幸せを感じています。 このドラマは、いわゆるタイムスリップもので、ザ・昭和のダメ親父の中学教師がタイムスリップして令和の今の時代にやってくるという話。だから昭和あるあるみたいなものを散りばめられています。いかにもクドカンさんっぽいのは、元ネタを類推しやすいようなヒントが散りばめられていたり、もろそのままオマージュっていうのもたくさん入っていいたり。なんならご本人登場みたいな技も駆使しています。 これは『あまちゃん』でも見られた技ですね。そういう、毎回見続けたくなるような要素も織り交ぜながら、予測できないような物語の展開もあって、これはもう、まだ見ていない方はまだ間に合いますから「このバスに飛び乗ってください」って感じですね。
TBSドラマの伝統へのオマージュも
この『不適切にもほどがある!』はTBSドラマの伝統も踏まえています。例えば、毎回タイトルが「〇〇してもいいですか」となっていますが、あれは『ふぞろいの林檎たち』のタイトルのつけ方へのオマージュですよね。途中でミュージカル調になるところも『ふぞろいの林檎たち』Part2のときにあったものです。 宮藤官九郎さんは1970年生まれで今年54歳ということですが、今や作り手としても大御所ですよ。『池袋ウエストゲートパーク』『木更津キャッツアイ』から始まり『タイガー&ドラゴン』『我輩は主婦である』『俺の家の話』と、TBSの磯山晶プロデューサーとのコンビネーションもばっちり。TBSだけではなく宮藤さんはNHK『あまちゃん』という大成功作もあるわけですが、そういったものの集大成という感じすらします。