童話「おおきなかぶ」に登場のかぶの重さは冷蔵庫級の97.75kgだった…東京理科大教授が算出した"科学的根拠"
「3びきのこぶた」「にんぎょひめ」「アリとキリギリス」など幼少時に親しむ童話には不思議な現象が数多く登場する。東京理科大学理学部第一部物理学科教授で北九州市科学館スペースLABO館長の川村康文さんらが科学的に検証した。今回は「おおきなかぶ」編をお届けしよう――。 【画像】おおきなかぶ(『かがくでなぞとき どうわのふしぎ50』より) ※本稿は、川村康文・小林尚美・北川チハル『かがくでなぞとき どうわのふしぎ50』(世界文化社)の一部を再編集したものです(イラスト=ハラアツシ)。 ■おおきなかぶ かぶのタネをまいた おじいさん。 心(こころ)をこめて そだてました。 できたのは、見たこともない 大きなかぶ! どれくらい大きいの? どうやったら ぬけるかな? あまくて おいしいかぶをみんなでどうやって食べようかな? おじいさんが、はたけに かぶの たねを まきました。 やがて、だれも みたこと ないほど おおきな かぶが できました。 おじいさんは おおよろこび。 「きっと おいしい かぶに ちがいない。さあ、ぬくぞ。うんこらせ!」 ところが、かぶは まったく うごきません。
■おおきなかぶ 「おばあさんやーい、てつだって おくれ。」 おじいさんは、おばあさんを よびよせて、ちからを あわせ、 「うんこらせー!」 それでも かぶは ぬけません。 こんどは、まごを よんで きて、 「うんこらせ。どっこらせ。」 やっぱり かぶは ぬけません。 とうとう、いぬも ねこも ねずみまでも よびよせて、 「うんこらせー! どっこらせー!」 スッポーン! ようやく、かぶは ぬけました。 「ばんざーい!」 みんなで、さっそく スープに して たべました。
■おもさのふしぎ みんなで力を合わせてぬいた、おおきなかぶ。どれくらいおもかったのかな? ---------- Q かぶってどんな野さいなの? A 冬においしい野さいだよ。 ---------- かぶは、さむくなるころ、あまくなっておいしく食たべられます。かぶの白いところはじつは根ではなくくきのいちぶで「はいじく」とよばれます。 ダイコンやブロッコリーと同(おな)じアブラナ科(か)のなかまです。お正月の1月7日に1年のけんこうをねがって食べる七草がゆにも、かぶが入っています。 かぶ:葉はっぱにも えいようがたっぷりあるよ。 七草(くさ)がゆ:春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ)を 入(い)れたおかゆ。かぶはすずなとよばれます。 ---------- Q みんなはそれぞれどのくらいの力でかぶを引っぱれるの? A 自分の体重と同じくらいのおもさを引っぱれるよ ---------- じめんがしっかりしていると、人は自分の体重と同じくらいのおもさのものを引っぱることができます。 たとえば、体重15kgの人なら5kgのお米のふくろを3つくらい引っぱることができます。 ただし地めんがすべりやすいときは、それより小(ちい)さな力(ちから)でしか引っぱれません。