半導体、生産工程は約700 さまざまな“高額”装置で作り込み
半導体は約700に及ぶ複雑な製造プロセスを経て作られ、それぞれの工程で使われる製造装置を「半導体製造装置」と総称する。半導体産業と表裏一体をなす、重要な装置だ。 【関連写真】さまざまな半導体製造装置がある 半導体の製造工程は、「前工程」と「後工程」に分かれる。 半導体のベースとなるシリコンウエハーを加工し、電子回路を描いてチップを形成するまでを「前工程」と呼び、①ウエハー洗浄②成膜③フォトレジスト塗布(コーター)④露光⑤現像(デベロッパー)⑥エッチング⑦レジスト剝離・洗浄⑧プローブ検査、という工程だ。 ウエハーからチップを切り出し、実際の配線基板に搭載できる状態にする「後工程」では、①ウエハーのダイシング②ワイヤボンディング③封入(モールディング)④検査、を行う。 代表的な半導体製造装置には、熱処理装置、露光装置、フォトレジスト、エッチング装置、イオン注入装置、化学的気相成長(CVD)装置、化学的機械研磨(CMP)装置、スパッタリング装置、洗浄装置、検査装置、電子顕微鏡(SEM)、銅めっき装置、テスター、プローバー、ダイサー、ダイボンダー、ワイヤボンダー、封止装置などがある。中には1台当たり数十億円に上る装置もある。 配線幅を微細化 半導体は、チップの電子回路の配線幅を微細化すればするほどメモリーの大容量化、CPU(中央演算処理装置)の信号処理高速化、省エネなどにつなげられる。微細化技術は目下、2ナノメートルへ近づいているが、各国の企業はさらなる微細化を目指している。 23年世界販売1062億ドル 日本半導体製造装置協会が公表した、同装置の2023年世界販売額は前年比1%減の1062億ドル。地域別では、中国が同29%増の366億ドルで、4年連続の1位となった。前年3位の韓国は同7%減だったものの、台湾を抜いて2位に浮上。前年2位の台湾は同27%減で、3位となった。 日本製装置の24年4月度販売高(暫定値、輸出を含む)は、前月比6.4%増の3891億円で、6カ月連続の増加だった。
電波新聞社 報道本部