国宝の“マスコット”グッズもかわいい! 本阿弥光悦の「美」に魅了される展覧会
東京・上野の東京国立博物館 平成館で、特別展「本阿弥光悦の大宇宙」が開催されています。桃山・江戸時代初期に活躍したマルチ芸術家、本阿弥光悦(ほんあみこうえつ・1558~1637)。彼の「美」の世界を楽しめる展覧会を現地取材。担当研究員さんのお話や展示風景、注目オリジナルグッズの数々をご紹介します! 【画像】国宝がキュートなマスコットに! 注目のオリジナルグッズはコチラ。
マルチ芸術家の展覧会!
【女子的アートナビ】vol. 324 本阿弥光悦は、京都生まれ。刀剣鑑定の名門家系出身で、美を見極める優れた力量をもち、自らも書や漆芸、陶芸などのジャンルで作品を残した人です。 本展では、光悦が手がけた多彩な作品や、京都の町衆や職人たちとのつながりが伝わる品々をとおして、マルチ芸術家の「美」の世界を堪能できます。 展覧会を担当した東京国立博物館学芸企画部長の松嶋雅人さんは、見どころについて次のように教えてくれました。 松嶋さん 本展では、光悦があつく信仰した日蓮法華宗について、最新研究を踏まえながら展示を構成しました。また、光悦や彼の父は加賀前田家の刀剣御用で、光悦とつながりのあった前田利常の生母・寿福院もあつい法華信徒でした。光悦の書や漆工品などにくわえて、ぜひ信仰に関わる品々にも注目してみてください。
国宝がお出迎え…!
では、展示の見どころをピックアップしてご紹介。 まず入り口を入ると、光悦のもっとも有名な国宝・舟橋蒔絵硯箱(ふなばしまきえすずりばこ)がお出迎え。この展示室は暗い宇宙のような雰囲気で、本展のタイトル「本阿弥光悦の大宇宙」にぴったり。光悦の無限の「美」の世界に引き込まれていく感じがします。 本作品について、松嶋さんは次のように解説。 松嶋さん 光悦が手がけた蒔絵は「光悦蒔絵」とも呼ばれ、奇抜なフォルムと独特な造形が特徴的です。大きな鉛板を使い、華麗な螺鈿(らでん)を自在に用いるなど大胆な造形で、このスタイルは近世初頭に突如現れたものです。独特な表現やモチーフが生まれた背景には、光悦が深くたしなんだ謡曲の文化があったと考えています。蒔絵の展示室では、謡本も紹介しています。