菜々緒、“有能オーラ”を自在に出し入れ!? 「人生のエッセンスになった」運命の役との出会い
菜々緒が主演を務めるテレビ朝日系金曜ナイトドラマ『無能の鷹』が、11月29日に最終回を迎える。これまで数多くの“シゴデキ(=仕事ができる)”な女性を演じてきた菜々緒が、超有能そうな見た目なのに、実は衝撃的に仕事ができない主人公・鷹野ツメ子を好演する本作。そのギャップが話題を呼び、初回放送はTVerで金曜ナイトドラマ歴代最速の見逃し配信再生数200万回突破を記録した。 【写真】ロボットにも好かれる鷹野(菜々緒) 反響の大きさを、菜々緒は主演としてどのように感じているのか。ほかにも、クランクアップの際に「私自身が一番救われた」と語っていた鷹野との出会いや、チーム力が抜群だった現場でのエピソードなど、最終回を前に話を聞いた。
「鷹野ツメ子の生き様が人生のエッセンスになった」
ーーSNS上でも大きな反響を呼んでいる本作について、菜々緒さんは視聴者の皆さんの反応をどのように感じていますか? 菜々緒:まずはTVerにおける初回放送の見逃し配信再生数が金曜ナイトドラマの歴代最速記録だったというところで、たくさんの方が観てくださっているんだなと実感しました。それはやっぱり原作の力が大きくて、とても面白いからこそ、ドラマのほうにも期待感を持って注目していただけたんじゃないかなと思っています。SNSを見ていると、原作ファンの方々にも好意的に受け入れていただけているのを感じて安心しました。 ーー具体的に印象に残ってる感想はありますか? 菜々緒:このお話をいただいたときに、原作の漫画を読んだのですが、そのコメント欄に「菜々緒で実写化してほしい!」というご意見がありがたいことにいくつも見受けられました。私自身、今までにない役への挑戦ではありましたが、新鮮で良かったという感想をいただけたのがすごく嬉しかったです。ほかのキャラクターを演じていらっしゃる皆さんの配役に関しても、イメージにピッタリというお声が上がっていたので、改めてプロデューサーである貴島彩理さんのキャスティング力やプロデュース力の素晴らしさを感じました。 ーークランクアップの際に「私自身が一番、鷹野ツメ子に救われた」とコメントされていたのが印象的でした。鷹野を演じて、菜々緒さん自身、何か心境に変化があったのでしょうか? 菜々緒:今回のオファーをいただいたとき、私自身が少し悩んでいる時期だったんです。そんな中で鷹野ツメ子というキャラクターに出会い、突き抜けた彼女の言動や人柄に勇気をもらう瞬間が多々ありました。本当に神様から「鷹野ツメ子のように生きなさい」って言われているんじゃないかと思うほど、彼女の生き様が人生のエッセンスになりましたし、ドラマを観てくださっている方にもこの役を通じて勇気だったり、何か人生について考えるきっかけを与えられる存在になれたことが嬉しくて。私自身、すごく思い入れのある役柄になりました。 ーーこれまでの放送回でもたくさん印象的な台詞や場面がありましたが、特に菜々緒さんの心に刺さったものはありますか? 菜々緒:「私がこの会社を必要としているから、会社に必要とされてるかは考えないようにしてる」という台詞がとても心に刺さりました。やっぱり私たちはどんな場所においても、自分の立ち位置や周りからの評価を気にしてしまいがちじゃないですか。だけど、彼女は周りがどう思うかは気にせず、自分自身がどうありたいかということを常に考えて行動している。それって自分自身を信じているからだと思うんですね。だからこそ、鷹野は未知な世界に飛び込む勇気や強さを持てるのだと思いますし、最終回でもそれを強く感じる台詞があるのでぜひ注目していただきたいです。 ーー鷹野は超有能に見えて実は無能というキャラクターですが、「もしかしたら爪を隠し持ってるんじゃないか」と思うような余地もあって、とても興味を引かれます。そのバランスについて心がけていたことはありますか? 菜々緒:そこのメリハリは自分でも意識していて、営業先で取引相手の方が鷹野を有能と勘違いするシーンに関しては、これまで演じてきたシゴデキな役を思い出しながら全力で有能オーラを出し、逆に普段、会社で過ごしているときはとことん無能なキャラに徹するようにしていました。あとは彼女が有能そうに見えるのは「昔から、お仕事ドラマが好きだった」という設定なので、鷹野がこれまでドラマで観てきたであろうシゴデキなキャラクターを演じているイメージを落とし込んで演じていましたね。でも、それだけであんなにたくさんの人を勘違いさせちゃうんだから、きっと鷹野は女優の才能があると思いますよ(笑)。 ーーそれこそ菜々緒さんはこれまでシゴデキな女性を多く演じてこられたので、そのギャップに驚きつつ楽しく観ています。菜々緒さん自身は、たくさん個性的なキャラクターがいる中でどのタイプに近いと思いますか? 菜々緒:工藤阿須加さんが演じていらっしゃる雉谷ですかね。私は割と危機管理能力を備えているほうで、争いごとを避けるためにも「この人とはこういう感じで接するのが良さそうだな」というふうに人によって対応を変えながら接しているので、そういう意味では完全に雉谷タイプだと思います(笑)。 ーーもしも身近に鷹野のような人がいたら、どのように接しますか? 菜々緒:私は面白がっちゃうと思いますね。第7話で普通な自分を変えたい鳩山(井浦新)さんが鷹野をメンターにして色んなことにチャレンジしてみるシーンがありましたが、ああいった感じで、普通の人間からすると考えられないような考えやアイデアを持っている方っていうのは、自分の人生に良いスパイスを与えてくれると思いますし、新しい自分に出会わせてくれる気がするんですよね。もちろん、鷹野のような新人を教育する立場の方は気苦労もあると思いますし、なかなか塩梅が難しいところではありますが、何か根本から覆す必要がある場面では彼女のような存在が必要なんじゃないかと私は思います。