「学校に自分の居場所は無かった」不登校になったヴァイオリニスト「必死に転校先を調べる日々」から周囲の目が変わるまで
── お父さんの言葉の真意を知ってから宮本さんの中でどのような変化がありましたか? 宮本さん:本当に少しずつ、少しずつではありますが、このまま負けたくないと思いはじめ、この状況を変えるためには自分の実力を示して周りを納得させなければならないんだろうなと。それで全校生徒が聴ける最後の実技試験では全力で演奏しようと決意しました。そこにむかって毎日毎日すごく必死にヴァイオリンと向き合って練習をし、本番ではそれこそ命をかけるような覚悟で演奏。周囲の私を見る目が変わったなと感じられた瞬間でした。
PROFILE 宮本笑里 ヴァイオリニスト。東京都出身。14歳でドイツ学生音楽コンクールデュッセルドルフ第一位入賞。その後は、小澤征爾音楽塾、NHK交響楽団などに参加し、07年「smile」でアルバムデビュー。様々なテレビ番組、CMにも出演するなど幅広く活動中。2022年7月デビュー15周年を迎え、同月には15周年記念アルバム「classique deux」をリリース。 取材・文/平岡真汐 写真提供/宮本笑里
平岡真汐