ドイツ政府、太陽光発電への補填を制限へ…マイナスの卸売価格が頻発し、負担が急増(海外)
ドイツの新たな法案は、エネルギー価格が下落した時に補填を受ける太陽光発電業者を制限することになる。 再生可能エネルギーの供給過剰によって、市場価格がマイナス圏に落ち込むことが増えている。 太陽光発電業者は最低価格が保障されているため、政府が差額を補填している。 ドイツでは、太陽光エネルギーの供給過剰で政府の負担が増えたため、新たな法律を制定して国内の太陽光発電業者への補助金を制限しようとしているとブルームバーグが報じた。 記事では、エネルギーが定められた最低価格を下回った場合に、補助金を受け取る業者を制限するという新たな施策を引用している。電力の卸売価格がマイナス圏まで落ち込むことが頻繁に発生しており、補助金はドイツにとって問題になっている。 ドイツ政府は以前、再生可能エネルギーへの補助金は2024年に216億ドル(約3兆3100億円)に達すると見積もっていた。 太陽光発電の普及が、大量の再生可能エネルギーをもたらし、電力卸売価格が頻繁にゼロを下回っているからだ。この傾向は、日照の多い夏に特に顕著で、ヨーロッパ全土で続いている。 だが、ドイツの太陽光発電業者は定められた最低価格を受け取ることが保障されているため、政府は差額を支払う責任を負う。このいわゆる「固定価格買取制度」は、再生可能エネルギー企業の公共送電網への貢献に対する補償だ。 新法案は、どの太陽光発電業者が発電量を電力取引所に売却する必要があるのか、また固定価格買取制度の対象となるのは誰なのかを制限しようとしている。現在、容量100キロワットの発電所が参加を義務付けられている。これを2027年初めまでに75キロワットに下げる予定だ。 ブルームバーグによると、卸売価格がマイナスになった場合、政府が中規模および大規模太陽光発電プロジェクトへの支払いを保留できるようにする以前の法律も施行される。 これが、ロシアによるウクライナ侵攻以来膨らんできた、市場の不確実性の引き金になる可能性がある。ウクライナ侵攻によってヨーロッパは、ロシア政府によるエネルギー供給に代わるものを探すこととなった。 一方、アナリストらは、再生可能エネルギーがマイナス価格から脱するには、バッテリー技術と電力網への追加の投資が必要だと指摘している。
Filip De Mott