海岸に大量に打ち上げられたイワシはどう捨てたらいい?【滝沢秀一連載】
ゴミ清掃員としても働く芸人の滝沢秀一(マシンガンズ)が、ゴミを回収していて気が付いた事実、それが「金持ちの家から出るゴミは少ない」ということ。長年にわたりゴミを見続けた滝沢氏だからわかる、ゴミに隠された秘密を教えます! みんなでゴミを少なくして、金持ちになろう! 【画像】牡蠣の殻は可燃ゴミ? 不燃ゴミ? * * * 昨年末、北海道の海岸に大量のイワシが打ち上げられたというニュースがありました。海水温の上昇が原因で群れが迷い込んでしまったとか言われていますが、詳しい理由はわかりません。 イワシはどんどん腐ってしまい悪臭を発生するようになったということで、地元の漁師さんが中心となって回収して、最終的には重機まで使って清掃工場へ運んで焼却処分したみたいですね。 以前にも大阪湾に迷い込んだクジラが死んでしまったことがありました。「砂浜に埋めて骨格標本にしたら?」なんて話もありましたが、最終的には陸地から遠く離れた場所まで曳航して、深海に沈めたらしいです。ただ、その処理費用は8千万円ぐらいかかったんだとか! 漂流してきたゴミは、基本的にはそこの自治体が処分するのですが、費用もかかって大変みたいですね。少し前ですが、日本海のあちこちに無人の木造船が流れ着いたのですが、小さな町だと処分する予算もないため、しばらく放置されていたみたいです。 イワシも生きて捕まえれば食料として売れるのに、死んでいるものはゴミになってしまう。何とか再利用する方法はないんでしょうか、漁をするときにエサとしてまいたら、魚が集まってきそうですよね。 ただ、海へ持って行ったり捨てるのも大変なんでしょう。下手したらまた浜に戻ってきちゃうかもしれないし、だからゴミとして燃やすしかなかったんだと思います。 昔は、イワシを肥料にしていたんですよね。干鰯(ほしか)って言葉があるぐらいで、砂浜に並べて天日干ししたものは肥料として農家に重宝されていたと言います。保存もできないから、人が食べるより肥料にするほうが多かったみたいです。各地に干鰯を扱う問屋もあったぐらいメジャーなものだったらしいです。 考えてみれば、干鰯ってコンポストと考え方が一緒ですよね。コンポストは黒土に埋めますけど、微生物がいればどこでもできるから海岸でも可能じゃないかと思うんですよ。もし肥料に変われば買い取ってくれるところもあると思います。 それこそ量が集まれば、大抵のものはリサイクルできるって話はありますよね。牛乳パックはみんながリサイクルに出すので、トイレットペーパーとか紙製品として再生されています。 最近では家庭で使った油。これって今はほぼ100%近くが捨てられているんですけど、地域によっては集めているところもあって、実際にバスの燃料とかになっているんです。 精製する技術はどんどん進化していて、天ぷら油を飛行機で使うジェット燃料にするなんて研究もかなり進んでいます。そういえば、イワシも昔は絞って出た油を行灯に使っていたなんて話もありますね。 そうやってリサイクルできればいいのですが、ある程度の量が集まらないと採算がとれないからビジネスにはなりづらい。焼却炉の性能が良くて何でも燃えるゴミになっちゃうエリアは捨てるほうとしてはラクなんですけど、リサイクルが進まないって話もあります。 それこそゴミを何十品目に分ける地域とかだったら、いろんなリサイクルができると思います。 イワシもしょっちゅう海岸に打ち上がるならビジネスになるんでしょうけど、地元の人も「初めて見た」って言ってたぐらいですから、現状は燃えるゴミにするしかないのでしょうね。 もったいないなーとは思います。だったらせめて水族館のアザラシやペンギンを連れて行くとかどうでしょう(笑)。ヤギに雑草を食べてもらうみたいに、喜んで食べてくれそうですよね。でもそんなにたくさんは無理かな? ※ごみの捨て方のルールは自治体によって異なります。お住まいの地域のルールをご確認ください。 イラスト/北村ヂン