大リーグ303勝ランディ・ジョンソンさんらが被災地で野球少年少女を指導
子供たちに熱心に野球を教えるランディ・ジョンソンさんら
大リーグ殿堂入りしたランディ・ジョンソンさんやルイス・ゴンザレスさんといった大リーグ元スター選手らが今月17日、宮城県石巻市で子供たちのための野球教室を開いた。東日本大震災で被害を受けた石巻市の野球場を、メジャーリーグベースボール(MLB)とMLB選手会の寄付で再建したことが縁。当日は雨の降る悪天候だったが、指導を受けた少年少女たちは元スター選手の熱心な指導に目を輝かせて聞き入っていた。
仮設住宅団地の中央にある野球場で野球教室
野球教室の会場となった石巻市総合運動公園野球場は、東日本大震災の被災者が住む石巻市の仮設住宅団地の中心にある。周辺には2地区で計17の仮設住宅団地があり、8月1日現在で1878人がその仮設住宅で暮らしている。 同野球場は震災後、支援物資搬入のため自衛隊の支援拠点となった場所だ。芝生が傷んで使えなくなっていた球場を、2012年12月、MLBとMLB選手会が100万ドル(約1.2億円)を寄付して芝をリニューアルし、復活させた。その縁で、2013年には岩隈久志選手(マリナーズ)によるイベントを開くなど、同球場を拠点にしたMLBの交流活動が続いている。MLBは来年から開催するリトルリーグの大会の決勝トーナメントも、同球場で行う予定だ。
ラルーサ元監督が自ら守備指導
今回の野球教室で指導したのは、サイ・ヤング賞に5度輝き、通算303勝、歴代2位の4875奪三振を記録したランディ・ジョンソンさん(51)、メジャー通算354本塁打のルイス・ゴンザレスさん(47)、監督として3度の世界一に輝いたトニー・ラルーサさん(70)と、日本のプロ野球ヤクルトで最多勝・沢村賞を獲得し活躍した川崎憲次郎さん(44)の4人。球場には、宮城県と福島県の13歳以下の野球少年少女250人が集まった。 ランディ・ジョンソンさんは指導で「自分は背が高く左投げだったので上手くなるまで苦労した。自分も何十年も前リトルリーグで野球を始めた。現役の時は6球団でプレーして、イチローとも対戦したよ。投球の秘訣はキャッチャーミットを常によく見ること。君たちの年齢で大切なのは、野球を楽しむこと、そしてよく勉強することだ」と語った。