東北・函館エリアへ誘客強化 函館市などキャンペーン
函館市やJR東日本、JR北海道、東北観光推進機構で構成する「イーストジャパン・キャンペーン推進協議会」は、欧米豪のインバウンド(訪日外国人)を東京から東北や函館に誘客する「イーストジャパン・ゴールデンルート~はやぶさライン」を始動した。北海道新幹線沿線自治体の仙台、盛岡、八戸、青森、函館の観光地を巡る旅行商品を造成・販売し、東北・函館エリアへの誘客を強化する。
協議会は5月に発足し、今年度の事業費は1950万円。東北・北海道新幹線の速達性や利便性を生かすとともに、東北・函館での観光旅行の良さを幅広くアピールするのが狙い。 協議会がJR東日本びゅうツーリズム&セールスに委託し、5市ごとに観光コンテンツを満載した旅行商品を造成するほか、11月11~16日には外国人のインフルエンサー(SNSでの影響力が大きい人)2人が5市を視察し、インスタグラムで情報を発信。函館はベイエリアや元町、函館山などを巡った。 また、1ページのみで構成するランディングページを開設し、5市の魅力を紹介する動画が見られる。5市らしい観光や食が一目で分かる英語表記のパンフレットも1万3000部作った。 インバウンド観光は東京、浦安(千葉)、箱根(神奈川)、富士山(静岡または山梨)、名古屋(愛知)、京都、大阪を巡るルートをゴールデンルート(GR)と呼び、日本を代表する大都市や観光スポットを網羅。効率良く観光地を巡ることができ、団体客に人気がある。 市によると、2019年の外国人延べ宿泊客数は7地域で6600万人に上り、国内を訪れる外国人全体の3分の2がGRを周遊している。しかし、京都などでオーバーツーリズム(観光公害)が発生していることもあり、今後インバウンドは地方により分散する可能性があると判断、首都圏から北へ向かわせるキャンペーンに取り組む。 市国際観光課は「欧米豪の観光客は日本での滞在日数が長く、消費額も大きい。函館はインバウンドを受け入れられる余地はまだあるので、呼び込みに力を入れたい」としている。
函館新聞デジタル