愛知県豊橋市の浅井市長が退任
公約の8割は実現
16日で任期満了を迎える愛知県豊橋市の浅井由崇市長(62)が15日、市役所であった幹部職員への最後の訓示を述べた。市役所ロビーでは職員による退庁セレモニーもあり、職員や市議ら大勢の関係者に見守られ、1期4年間の市政運営に区切りをつけた。 講堂で開かれた市長訓示には、出席した課長級以上の幹部職員約100人を前に4年間の市政運営を振り返った。 浅井市長は「4年前は無限の可能性を持つ豊橋をもっと元気にしようと立候補した。1期目で示した施策の8割は達成できた。職員の熱意と市議会の協力のおかげだ」と感謝した。 「子育て教育の充実をはじめ、産業振興やインフラ整備でも成果が見えつつある」とこれまでの実績を強調。多目的屋内施設(新アリーナ)を核とする豊橋公園東側エリアの再整備について「現在は困難な状況に直面しているが、何としても続けてもらえるよう努めたい」とした。 職員の役割として「豊橋を元気にするには市役所が先頭に立つことが欠かせない。現場主義や役所の常識にとられない姿勢のほか、部署や組織などの壁を越えることでまちを大きく前進させてほしい」と願った。 本庁舎東館ロビーで開かれたセレモニーには来庁者のほか、職員や市議ら関係者を含む200人以上が駆け付けて別れを惜しんだ。市長秘書から浅井市長へ花束が贈られた。浅井市長は来場者と記念撮影し、玄関までの花道で大勢の職員らに見守られ、市長生活を締めくくった。
浅井市長の一問一答
浅井市長は、市役所であった幹部職員への訓示後、報道陣の取材に応じ、4年間の市政運営と新市長への願いを語った。 ―4年間を振り返って。 ◆新型コロナウイルスが続く厳しい状況だった。かかりつけ医を中心にワクチン接種率を高める「豊橋モデル」も構築できた。県内4中核市で感染率をもっとも抑えられた。職員と市民の理解を得て4年間の任期を全うできた。 ―次期市長は新アリーナ整備計画の契約解除を掲げている。 ◆多くの市民からの計画通り続けてほしいという声がある。一市民としてできることがあればお手伝いしたい。 ―次期市長にメッセージを。 ◆市政の継続は重要だ。長い歴史で培った国や県との関係も大切にしてほしい。新アリーナを含む進行中の施策も、過去の経緯を踏まえ適切に進めてほしい。 ―新アリーナを巡る市長選の結果を踏まえて思うことは。 ◆推進派が得た7万7000票が反対派の4万5000票を上回っている。結果は候補者の構図で決まった。 ―三遠ネオフェニックスへの影響は。 ◆地域の子どもにも夢を与える存在。26年度の新リーグ参入を喜んでいた。新アリーナが条件だったので、参入できなくなるのは残念だ。 ―新アリーナへの反対票を投じた民意は。 ◆市長選の結果がすべての民意なのか。計画に8割が賛同した市議会の議決も民意だ。それも尊重すべきだ。
東愛知新聞社