三省堂書店コミック担当 近西良昌さんの「いま人に薦めたい愛読マンガ」7冊「嫌なことを忘れるぐらい愛おしい」
近西良昌さんの「マンガを読むときのマイルール」
「楽しみにしていたマンガの新刊を読むときは、夕飯をしっかり食べ、テレビも消し、雑音が入らないようにして読む。それもなるべく家人が寝静まったあとに。なので、23時以降に読むことが多い」
今、最も注目している新人作家とその作品は?
◆『ルリドラゴン』眞藤雅興/集英社 高校生の青木ルリは、ある朝目覚めると突然頭にツノが生えていて……。ドラゴン少女が日々を頑張らなかったり、頑張ったり、やっぱり頑張らなかったりする、ゆるっとした日常系マンガ。 「存在感とキャラ立と面白さと画の巧さと面白さ。1巻発売以降は連載がストップし、再開後は少年ジャンプ+に移籍したけれど2巻を今か今かと楽しみにしている。先生のよきタイミングで続けてほしい」(編集部注:2024年9月4日に第2巻発売。)
食欲の秋に読みたくなる「グルメマンガ」は?
◆『相席いいですか? 』河上だいしろう/集英社 部下との関係に悩む社会人の椿と、バイトで四苦八苦の大学生の桃子。偶然、定食屋で相席したことをきっかけに始まった憩いのランチタイムコメディ。 「グルメというよりは、ふたりの関係性とランチをあわせつつの人間関係が主なマンガですが、食欲の秋にこういうのもありだよね、というおすすめ。こんな出合いはなかなかないにしろ、ひとりランチの楽しみが増えるマンガ」
2024年秋に読みたい「動物マンガ」は?
◆『今日のさんぽんた』田岡りき/小学館 柴犬のポン太の散歩付き添い要員であるりえ子は、脳天気でちょっと抜けている少女。散歩中に繰り広げられるりえ子のボケやグチに、ポン太が心の中でツッコむという散歩コメディ。 「動物となると、個人的に好きな動物がやっぱりおすすめ。それは犬。ということで『今日のさんぽんた』を。今、ペット禁止のマンションで暮らしているため、日々犬欠乏症に悩まされています。疲れがピークになれば、もふりたいという思いが強くなる(笑)。その思いをこのマンガを読むことで癒されています。散歩を実体験しているかのように。ほんと犬かわいい」 三省堂書店海老名店コミック担当 近西良昌(ちかにし・よしまさ)さん 18歳で書店員になり、三省堂書店海老名店に勤務。学参担当を経て、2001年から20年以上コミックを担当。マンガ大賞に第2回より選考委員として参加。 発表! CREA夜ふかしマンガ大賞2024 眠りにつく前のひとときに、日中のあれこれを忘れさせ、新しい世界に連れ出してくれる力のあるマンガを称える「CREA夜ふかしマンガ大賞」。昨年からはじまった一般読者による投票を一次選考として、200作品以上が候補にあがるなか、2024年のナンバーワンが決定しました。
大嶋律子(Giraffe)