落車で骨折、精密検査で大腸ガン発覚...53歳競輪選手が手術経て復帰「競走得点はゼロ。少しずつ頑張ります」
千葉の「TIPSTAR DOME CHIBA」で「PIST6 Championship」の10月第1戦が5日から開幕している。長期欠場から復帰した北村貴幸(53歳・群馬=71期)に話を聞いた。 北村は5月の和歌山開催の2日目に落車し、そこから負傷欠場をしていた。そこから中149日で今開催から復帰をした。 話を聞いてみると「鎖骨と肋骨を10本折ってしまった。しかも肋骨は何カ所も折れてしまったので、ボルトで固定する手術をしたんです。肋骨は普段手術をしないから、よっぽどだったんですね。その流れで精密検査をしたんだけど、そこで大腸ガンが見つかった。ステージ1だったみたいで、12センチ大腸を切ったけど、抗がん剤も使わずに済んだ。5年間は経過観察みたいだけど、大ケガをしていなかったら見つかっていなかったかもしれない。不幸中の幸いですね」と落車での大ケガもだが、病気も見つかったことで復帰も長引いてしまったようだ。 「練習での感じもよくなってきたので、今回の参加を決めた。腹筋にも力が入るようになりましたからね。競輪の復帰は月末の地元を予定しようかなと考えています。復帰して初めて走ったけど、思ったよりも走れている感じはある。競走得点も0点になってしまったけど、少しずつ頑張らないと」と苦笑いを浮かべながらも今後に向けて意気込んでいた。 「こうやって復帰できたし、ガン患者の人の励みになれば。あとは早期で見つけるっていうのも大事だし、それが伝われば。そして、それをきっかけにひとりでも多くの人が競輪を知ってくれたらいいですね」と口にした。 ガンは早く見つかれば治る病になってきたし、かつての罹ってしまったら…。というのも医療の進化によって変わってきた。大ケガに病気と一時はどうしようかと思ったようだが、こうして元気な姿で復帰を果たした。予選敗退とはなったが、好気合な走りを残り2走も見せてくれることだろう。(アオケイ・宮本記者)