新・静岡県警ヘリ「ふじ2号」運航開始 2機態勢で災害、捜索の対応力強化
静岡県警は空からの災害警戒や捜索救助、事件事故への初動対応の強化に向け、航空隊の態勢拡充を進めている。11日には、一新した県警ヘリコプター「ふじ2号」の運航開始式を焼津市の同隊基地で行い、高度な操縦支援システムを搭載し安全性や飛行性能を高めた新型機体を関係者や地元住民に披露した。 3代目になる「ふじ2号」はイタリア・レオナルド社製の全長16・7メートルの中型機(AW139型)で、最大14人が搭乗可能。最大航続は約4時間。エンジンの最大出力は850馬力から1872馬力に増し、富士山や南アルプスなど高い標高での活動に必要な機能を備えた。最大離陸重量は4300キログラムから7千キログラムになりキャビンも拡大。伊豆半島などで孤立地域が発生した際、救助隊員ら人員と物資をより多く搬送できる。 開始式には航空隊員や山岳遭難救助隊員らに加え、県や県議会、県公安委員会などから約30人が出席。藤井弥市航空隊長の報告を受け、津田隆好本部長が「空からの情報収集と送信により、地上で迅速に対応できる。高度な犯罪へも各部門で連携して活動展開を。愚直なまでに基本事項を確実に実行し、航空機の安全には万全を期して」と訓示した。テープカット後、出席者は藤井隊長から最新鋭カメラなどの搭載機能の解説を受け、離陸も見送った。 航空隊は1978年に発足。初代「ふじ2号」は81年に配備され、2005年に墜落した「ふじ1号」の後継機「ふじ3号」とともに2機態勢を維持してきた。ヘリは年間で約4カ月間、整備で飛べない時期が生じ、人命に直結する事案や、災害や犯罪の同時多発への迅速対応には2機の確保が欠かせないとされる。 県警は災害対応強化の観点から約3年前、航空隊を警備課内に移管している。
静岡新聞社