土地の味や香り大事に 焼酎のフランス市場開拓セミナー 県酒造組合
本格焼酎のフランス市場開拓を目的としたセミナー(鹿児島県酒造組合主催)が4日、鹿児島市であった。フランスの蒸留酒専門家2氏が市場獲得のためのポイントを列挙し、その理由を語った。市場開拓の前提として、土地の味や香りを大事にした酒づくりを促した。 講師はバイヤーのティエリー・ダニエル氏と蒸留家の二コラ・ジュレス氏。5、6の両日は鹿児島市内で商談会を開く。 セミナーでダニエル氏は、成功の鍵として①市場を熟知する②需要に対して提案する商品を合わせる③長期ビジョンを持つ④市場の声に耳を傾け、変化を恐れず柔軟に対応する⑤良いパートナーを得る―を挙げた。 ジュレス氏は蒸留酒市場の動向を紹介して「(焼酎は)若者世代で伸びているウオッカやジン、テキーラといった『白もの』に食い込んでいけると確信している。長期ビジョンを持って、若者が手に取りやすい価格帯からの展開をすすめたい」と話した。 県酒造組合によると、2023年度の県産本格焼酎輸出量は429キロリットル。国別で最多は韓国28・4%。次いで中国26・5%、米国11・6%、タイ7・2%、台湾6・6%などの順。フランスは0・8%の3・6キロリットルなど欧州では未知の酒。ジュレス氏は「まず知ってもらうことが大事。そのためにも、その特徴を語ることができるストーリーが大事」とも述べた。