45歳で年収300万円、貯金は「100万円」のみです。仕事がキツイため60歳から年金を受け取りたいのですが、受給額はどれだけ減りますか?
繰上げ・繰下げによる増減率から筆者作成 年金は受給額を最大にすることが目的ではありませんが、60歳から受け取る場合と65歳から受け取る場合では、およそ80歳で受給総額が逆転し、それ以降は65歳から受け取るほうが有利になります。
会社員の年金繰上げ受給割合は微増傾向にある
前記の厚生労働省のデータによると、会社員(国民年金第2号被保険者)の厚生年金繰上げ実施者は微増傾向(2017年:0.2%、2021年:0.6%)のようです。また、繰下げ実施者も増加(2017年:0.7%、2021年:1.2%)しており、繰下げ受給のメリットが認知されてきたことや、退職時の資産状況によって今後も二極化が進みそうです。 一方で第1号被保険者および第3号被保険者(自営業者等)では、繰上げ受給は微減(同13.6%→11.2%)、繰下げ受給は微増傾向(同1.3%→1.8%)であり、定年などの影響を受けないことや、老後に対する意識の高まりが現れている結果といえるかもしれません。
早い段階から繰上げ受給をしない準備を
平均寿命が延びつつある中で、長生きがリスクになることは避けたいところではないでしょうか。そう考えると、できるだけ年金の繰上げ受給はしないことをおすすめします。そのためには、早い段階から貯蓄を開始するなどして、年金受給開始までの期間を乗り切る準備をしておくことが重要です。 また、可能な限り長い期間働くことも資産の取崩しを少なくする上で大きな役割を果たします。時代とともに働き方も大きく変化してきているため、高齢になっても働くことができる環境を早い段階から模索してみてはいかがでしょうか。 出典 日本年金機構 年金の繰上げ・繰下げ受給 厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業年報 執筆者:御手洗康之 AFP、FP2級、簿記2級
ファイナンシャルフィールド編集部