「優生思想ぶっこわせ!」 旧優生保護法「違憲」判決受け障害者ら院内集会
補償法で終わらせるな
原告弁護団の関哉直人弁護士は「立法当時の社会状況をいかに勘案しても正当ではないと判断した。どれだけ国や世論が黒を白と言おうと、駄目なものは駄目だというメッセージだ」と判決を評価した。障害者の人権擁護に取り組む藤岡毅弁護士も「国家権力が差別偏見を植え付ける政策を強力に推進し、差別が広がった。障害者『更生』施設といった言葉を用いるなど、差別を助長する法令や判例を洗い出す必要がある」と指摘。「グループホームの建設反対運動やヘイトスピーチなど根底にある差別偏見の解消も不可欠。障害者は特別ではないと肌で感じられることが大事だ」とも説いた。 では立法自体が憲法違反と断じた判決は立法府にどこまで響いているだろうか。重度障害者である木村英子参議院議員(れいわ新選組)は10月に成立した被害者補償法の意義を解説する一方で警鐘を鳴らした。「『LGBTは生産性がない』とつづった杉田水脈前衆議院議員や尊厳死の法制化に言及した国民民主党の玉木雄一郎代表など、差別的な発言をする国会議員が増えている。法律をつくる議員が障害者や高齢者の存在を脅かしており、そのことに気づいていないことこそが優生思想だ」。 要求者組合の鈴木敬治書記長は閉会後、記者を呼び止めて強調した。「優生保護法の問題を補償法で終わりにさせてはならない。優生保護法をなくして再発を防止するための法整備に取り組まなければならない」。
石橋学・『神奈川新聞』記者