飲み会に子どもと参加に「NG」。ワーママへの配慮は当然か、"子持ち様"案件か
子育てしながら働くことが当たり前になったが、職場での「扱われ方」に違和感を感じる人もいる。 【全画像をみる】飲み会に子どもと参加に「NG」。ワーママへの配慮は当然か、"子持ち様"案件か 小学校に上がる前の子の子育てしながらメディア業界で働くエリコさん(仮名)は、「職場での働き方は、今も子育てをしていないことが前提になっている」と憤る。その理由は、部署の飲み会にやむを得ず子連れで顔を出そうとしたところ、幹事の男性から子連れでの参加を断られたからだ。 エリコさんは「『子連れはダメ』としてしまったら、子持ち社員を排除することになる。それはおかしいと思う」と言うが、幹事からは「子どもを連れての参加を嫌がる人もいる」と説得されたという。 最近では、子育て中の社員に対して行き過ぎた配慮を求められるとして、Xなどで「子持ち様」と呼び皮肉る投稿もある。 エリコさんはそうした風潮に対して理解はしつつも、「子どもを預けられない人もいる。子どもの参加を求めるのは行き過ぎた配慮なのでしょうか?」と話す。
交流のための飲み会「子連れダメ」
エリコさんが子連れでの参加を拒否されたのは、部内の交流をはかる目的で年に数回開かれる部署の飲み会だった。 過去には夫に子どもを任せて参加していたが、その日は仕事で夫が終日不在。未就学児を家に一人で置いて夜に外出するわけにはいかず、飲み会に参加するためには一緒に連れていく意外に選択肢はなかったという。 頻繁に行われるわけではない交流の機会でもあり、エリコさんはなるべく参加したい気持ちがあった。 静かな料亭など、店によっては子どもを連れて行きにくい場合もある。エリコさんは、会場がカジュアルな居酒屋であることを確認したうえで、小学校に上がる前の子どもを連れて行っても良いかと尋ねた。 ところが、返ってきたのは「子連れはNG」という返事だった。 「子どももいるので少しだけ顔を出して、早めにおいとまするつもりでした。まさかノーと言われるとは思わず、びっくりしました」(エリコさん)
「子持ちの排除ではないか」
子連れNGの理由は、「コンプライアンスに抵触する恐れがあるから」だという。 会社の経費で開かれる飲酒を伴った交流の場は、いわば業務の延長線上。そこに未成年が参加し、万が一のことが起こったら困る──、と説明された。 「この会を業務の延長だととらえているのなら、子どもがいるという理由で排除されるのはどうなのか」とエリコさんは憤る。 これまで別の部署や別の職場では、子連れで飲み会に参加したり、職場に子どもを連れてきたりする人もいた。男女の共働きが当たり前の今、飲み会に連れていくのは致し方ないことではないのか──。 モヤモヤを抱えつつも、最終的に、エリコさんはこの飲み会を欠席したという。 「海外では会社のイベントの際に、託児サービスを使って小さい子どもがいる従業員も参加できるような環境を作っていると聞きます。今の会社に対しても、今後、託児サービスの充実などを提案したていきたいと思っています」(エリコさん)
忘年会に不参加「家庭の調整が面倒」が17%
転職サイト『女の転職type』が実施した忘年会に関するアンケート調査(働く女性453人が回答、2023年11月にインターネットで実施)によると、「職場での忘年会が開催されるなら参加したいか」という質問について、「参加したくない」が59.6%と過半数に上った。 参加したくない理由について複数回答で聞いたところ、「面倒だから」が57%で最も多く、「家庭での調整が面倒だから」という回答も17.8%(約5.5人に1人)いた。
土屋咲花