背水のキャンプイン。SB松坂大輔は10キロ減量で復活できるのか?
「映像で遠投のシーンを見ただけだが、減量の効果からか、肩から肩甲骨周りの稼動域が広がっているように思えた。オフのプエルトリコでのウインターリーグの参戦から、ずっと継続してトレーニングが行われてきた証拠だろう。 昔の松坂ではなく新しい松坂で契約最終年を勝負するには、やはりコントロール、ボールを動かすということが重要になってくる。下半身、体幹をしっかりと使えるフォーム固めというものがカギになるが、それを作るためには減量はプラスだと思う。1年間、ローテーションを守り、5回から6回、100球を投げてゲームを作ることを目標にしていると思うが、第一段階はクリアしたのではないだろうか。焦らずにやれるB班スタートは、松坂にとって良かったとも思う」 松坂は、肩の手術後、試行錯誤を繰り返す中、球威ではなくツーシームを軸としたボールを動かすスタイルのピッチングへとシフトチェンジしている。そうなるとキレが重要になるように思われるが、引退した広島の黒田博樹も、42歳で最速は150キロをマークしていた。平均して140キロ後半のストレートを投げた。ツーシーマーで生き残るにもストレートの力は必要なのだ。 池田氏も、「全部が全部、150キロを投げる必要がない。動くボールを生かす配球の中でのボールと、ここぞの状況に応じて出せればいいだけの話だから可能性はある」という。 ただ松坂は、もう投げることさえできれば1軍当確という立場ではなくなった。その先には、熾烈な先発争いが待ち受けている。6人の先発の座を巡って、実績からほぼ確定している武田、和田、バンデンハーク、千賀、中田に続き、攝津、大隣、大型新人の田中、東浜、2年目の高橋純平までがいる。 「ここから先発の6人の座をめぐって横一線での勝負がスタートする。もう松坂の名前では通用しないので結果で示していかねばならない。だが、今年は、WBCの影響で千賀とバンデンハークが出遅れるので、しっかりと調整ができれば、開幕の頃にチャンスはある」と池田氏。 WBCメンバーに千賀とバンデンハークが選ばれているため、開幕後、しばらくは調整が必要。また和田も肘に不安が残る。状況的には、松坂が開幕1軍を勝ちとるための追い風は吹いている。