岡本圭人「舞台に立つことが本当に夢だった」『Le Fils 息子』『La Mère 母』同時上演に込めた思い
母親と会う時間を大切にしたい
――特別な作品の再演と日本初演となる作品、二作品への挑戦でさらなる飛躍に期待しています。稽古の前に何か準備をされるのでしょうか。 初演の時はフランスに3ヶ月間行って、ラディスラスと話したり、ディレクションを受けたりしましたね。あとは、ニコラは学校に行かずに散歩をしていたので、ずっと公園を散歩してました(笑)。『La Mère 母』をやるにあたっては、愛する息子を思う母の気持ちが描かれている作品なので、なるべく母と会うようにして、その時間を大切にしようと思っています。あと、若村さんともたくさん会話したいですね。 若村さんとは1月に『ラヴ・レターズ』という朗読劇でもご一緒しまして、その時は恋人役でした。僕にとって初めての朗読劇で、最後はあんなに人前で鼻水を垂らしたことないってくらい泣いてしまった(笑)。若村さんは5回目だったそうで、「以前ももちろん一生懸命やっていたけれど、刺さる言葉、自分のセリフの重みが前とは全然違う。こんなところで自分が感動するとは思わなかった」といったことをおっしゃっていて。僕も今回あらためて『Le Fils 息子』を読んだ時に、前とは全然違う感情が湧いて来たりしたんですよね。初演時からこの再演まで、その間に得た経験は本当に自分にとってかけがえのないものです。今またこうしてニコラと向き合って演じると、まったく違う作品になるんじゃないかなという予感がします。 取材・文:上野紀子 撮影:藤田亜弓 <公演情報> 『La Mère 母』『Le Fils 息子』 作:フロリアン・ゼレール 翻訳:齋藤敦子 演出:ラディスラス・ショラー 出演: ■『La Mère 母』 若村麻由美 岡本圭人 伊勢佳世 岡本健一 ■『Le Fils 息子』 岡本圭人 若村麻由美 伊勢佳世 浜田信也 木山廉彬 岡本健一 【La Mère 母 東京公演】 2024年4月5日(金)~4月29日(月・祝) 会場:東京芸術劇場 シアターイースト 【Le Fils 息子 東京公演】 2024年4月9日(火)~4月30日(火) 会場:東京芸術劇場 シアターウエスト 東京公演後、鳥取、兵庫、富山、山口、高知、熊本、松本、豊橋公演あり