安倍首相が記者会見 臨時国会が閉会(全文1)国益にかなう結果得られた
事業規模26兆円の経済対策
地域経済の核である中小・小規模事業者の皆さんには、総額3000億円を上回るものづくり補助金、IT補助金、持続化補助金を活用し、生産性革命を一気に加速します。そのことによって、賃上げの流れをいっそう力強いものとしてまいります。この国会では、コーポレートガバナンスを強化するための会社法の改正案も成立しました。国際スタンダードに沿った経営を強化することで、日本企業の国際競争力をさらに高めてまいります。少子高齢化の時代にあって、もはや内向きの発想では未来を開くことはできません。自由貿易の旗を高く掲げ、外へ向かって果敢にチャレンジする海外の活力を徹底的に取り組むことで、持続的な成長軌道を確かなものとしてまいります。 TPP、日EU・EPA、そして日米貿易協定。令和という新しい時代を迎えた本年、未来に向かって日本経済が力強く成長を続けていく、そのための強固な基盤を築き上げることができたと考えております。足元では、相次ぐ自然災害からの復旧復興、さらには米中貿易摩擦など、通商問題をめぐる緊張、中国経済の先行き、イギリスのEU離脱、香港情勢など、海外初の下方リスクにしっかり備える必要があります。このため、事業規模で26兆円に及ぶ、万全の経済対策を講じることといたしました。これは、令和の時代に安心と成長の未来を切り開く、そのための経済対策であります。 台風15号による記録的な暴風雨、台風19号の豪雨と、それに伴う甚大な浸水被害、今年も大きな自然災害が相次ぎました。これらの教訓をしっかり踏まえながら、堤防強化を初めとした水害対策の充実、無電柱化の加速など、インフラの強靱化を進め、安全で安心なふるさとをつくり上げてまいります。
全小・中学生に1人1台のデジタル端末配布
ビッグデータ、IoT、人工知能、デジタル技術の急速な進歩は、第4次産業革命とも呼ぶべき変化を世界にもたらしています。5G、通信技術など、この分野でのイノベーションの正義が、国の競争力に直結するのみならず、安全保障を初め、社会のあらゆる分野に大きな影響力を与える時代です。私たちはこの壮大なチャレンジ、決意をもって臨まなければなりません。 今こそ、これまでの発想にとらわれない、大胆な対策を講じなければ、わが国の未来を開くことはできない、まさに国家百年の計であります。未来を担う子供たちへの教育も当然大きく変わっていかなければなりません。来年4月から小学校において、プログラミング教育が必修となります。さらに、今回の経済対策では、4年以内に小学校、中学校の全ての子供たちに、1人1台パソコンやタブレットなどのデジタル端末を配布する方針を盛り込みました。 Society 5.0の未来を見据えながら、教育改革を進めて、国家としての意思を明確にしたところです。本年10月からの幼児教育、保育の無償化に続き、来年春からは真に必要な子供たちの高等教育の無償化が始まります。安倍内閣は、子供たちの未来に思い切って投資することで、最大の課題である少子高齢化に真正面から立ち向かってまいります。 全世代型社会保障検討会議においても、年内の中間報告に向けた議論が大詰めを迎えています。2022年には団塊の世代が、75歳以上の高齢者となります。現行の社会保障制度を前提とすれば、若い世代の皆さんにも負担が大きく上昇することが想定されます。