2年目のジンクス? プロ野球ストッパー不振のなぜ
ストッパーの不振が目立つ。表のように各球団のストッパーで負けがついていないのは、巨人の澤村と中日の福谷の2人だけ。澤村も4月28日の阪神戦で2点のリードを守れず、先発・菅野の勝ちを消して、延長12回ドロー。福谷も、4月23日のヤクルト戦で2点差を逃げきることができずに、途中交代を命じられるなど不安点をさらけ出している。 日ハムの増井は防御率が7点台で、ついに2軍落ち。楽天のサウスポーストッパー、松井裕も、5日のロッテ戦でまさかの6失点、ひとつのアウトしか取れなかった。ブルペンが充実しているロッテだが、肝心の抑えの西野が、この8試合は続けてヒットを許しており、何試合かゲームを潰し、伊東監督も、「明らかにキレが悪くなっている」と語っていた。被打率.316は、抑えとしてはあまりにも悪すぎる。 オリックスは新外国人のコーディエがストッパーとして開幕を迎えたが、早々に2軍落ちとなり、平野が緊急代役を務め、通算100セーブを記録しているが、すでに3試合に失敗。阪神の新外国人、マテオは、4月16日の中日戦で2失点して逆転サヨナラ負け、昨年の新人王、横浜DeNAの山崎も、4月17日のヤクルト戦で2点を守ることができず逆転サヨナラ負けを許すなど、勝負所で自慢のシンカーが落ちないケースが目につく。 ストッパーの負けは、勝ちゲームをひっくり返されていることを示す。近代野球では、ストッパーだけでなく、中継ぎを含めた終盤3イニングの戦略がペナントレースの成否を分けるが、最重要のストッパーで勝利が計算できなければ、ゲームマネジメントは根本からひっくり返ることになる。 元千葉ロッテの里崎智也氏は、「今季、安定しているのはソフトバンクのサファテとヤクルトのオンドルセクくらいではないか」と見ている。 バーネットがメジャーに戻ったことでストッパーに格上げされたヤクルトのオンドルセクは、防御率は0.00、被打率.143で、14試合登板で一度の失敗もない。ソフトバンクのサファテは、4月6日のロッテ戦で同点の状況で登板、デスパイネに一発を浴びて1敗を喫したが、防御率1.00で、被打率は.153。絶対的な守護神としてベンチの信頼は高い。だが、12球団のストッパーのうち安定感のあるのが2人では、ストッパー受難のシーズンと言われてもおかしくない。 では、なぜ、こんな事態が起きているのか? 元千葉ロッテの里崎智也氏は、「そもそもストッパー実績、経験値のあるピッチャーが少ない。1、2年だけの成績では相手にも研究されるし不安要素が消えない」という。