スタートダッシュ時のサスストロークを確保するためにローダウンはほどほど。外観はいたってノーマルライクだが、ガラス越しに見える内装を見て、たいていの人が「ギョッ」となる。ゼロヨンのスターティンググリッドに立った時の注目度はピカイチ

［7/7］今から30年ほど前、L型チューン全盛期。柿本レーシングは名実ともにチューニング界を制した。ここで紹介するブルーバードUは、L型チューンの伝説ブランド「柿本」の魂を宿すチューンド。オーナーは、あえて4気筒、しかもバンのボディで、L型4気筒チューンの新境地を切り開く。 【画像27枚】燃料の切り替えは、コックで簡単に行えるようになっている。ドラッグも、サーキットも楽しみたいオーナーのためのスペシャルな安全タンクだ 【1973年式 日産 ブルーバード U バン Vol.7】 「足まわりは一番の課題。現状ではパワーが生かせません。ドラッグとサーキットの両立が難しい。けど、ヤリガイはある」。定年を迎え柿本レーシングを離れた今も、このバンの面倒を見る塩路さんは、立ちはだかる課題を前に昔のように燃えている。 シェイクダウンテストをかねて参戦したドラッグレースで出したベストタイムは13秒7で、当面の目標は12秒台に入れること。 「4気筒のブルバンで12秒台や。6気筒のZで狙う10秒台より、俺は目指していてよっぽど面白い」 結果以上に、挑戦することに価値をおくオーナーは、豪快に笑った。 初出：ノスタルジックスピード vol.024　2020年4月号 （記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです）