【平成から次代へ オカルトどう変わる】 子どもだまし終わらせリアル追求へ 山口敏太郎氏に聞く
『オカルトを皆殺しにしたい』 時代は“リアルファイト”に向かうのか
そしてインタビューが終盤となり、山口氏の口から意外な言葉が飛び出してきた。 「早くオカルトを皆殺しにしたいですね」 オカルトや不思議な現象をテーマに作家活動、研究者活動をしてきた山口氏の言葉としては衝撃的だが、真意はどこにあるのか。 「昭和のオカルト的なものを全部謎を解明して決着をつけ、なくしたいんです。その先に、本当の不思議が広がっていると思うんです。否定しきったはずなのに、これはわからんね、これはあるのかもってところまでいきたい。それを真面目に研究する、リアルファイトをしたいんですよ。私の会社はお笑い部門を用意しているので、その人たちはエンタメプロレスをやってくださいと。私はリアルファイトをやりたい。『ウルトラセブン』がいまだ高く評価されるのは、子どもだましではなく、大人たちが真剣勝負で必死に作ったものだからですよ」 数多くの著書で知られる山口氏だが、『大迫力! 日本の妖怪大百科』と『大迫力! 世界の妖怪大百科』(ともに西東社)の2冊だけでも21万部を超える。オカルト系の作家として異例ともいえるヒットメーカーが目指すのは、徹底したリアリティーの追求だった。 (取材・文・撮影:志和浩司)