モデル・岩堀せり「コンプレックスの塊だった私にも年を重ねて変化が。常に肯定してくれる夫の言葉が一番の薬」
大人になってからぶつかった、内面コンプレックス
「仕事柄もあって外見に対しては思うところはいろいろありましたが、内面に関しては30代中盤ぐらいまではわりと私、最強だなと思ってました(笑)。 どちらかというと何でも楽しむタイプで、泣くことすら好きだったりして。辛いことがあって泣いたとしても、泣くこと自体がイベント感覚なところもあり、そこまで落ち込んで引きずることもなく……。そして何より、昔から常に鏡ばっかり見ているようなタイプなので、『この服を着ればスタイル良く見えるよね』など、試行錯誤して自信のつく服の着方を研究して結果満足する。そういう、すべてをプラスに考えるポジティブマインドだったんですが、ここ最近はなんだか“できていないこと”が目につくようになり、劣等感で気持ちが沈むように。英語が話せないことやパソコンでできないこと。昔はできなくても何も気にならなかったけど、今は『こんなこともできない自分ダメだ……』と落ち込みます。更年期に入り、ネガティブな思考になっているのだと思います。その気持ちは家族の前では口には出しますが、解決も何も勉強すればいいだけの話と自分が一番よくわかっているので、子どもたちや夫には相談というよりは愚痴と報告として伝えるくらいに留めています。 そうやって落ち込んだときには、自分のいい部分をピックアップしてこっそりとまわりと比べ『自分はけっこう幸せなほうだ』と言い聞かせる。ありがたいことにモデルのお仕事もいただけていますし、そういった現状の恵まれているところを探して、結局最後は『まあ、幸せなんだな』と落ち着くようにしています」
いろいろ試してきたからこそできるアドバイス
「結局、私はポジティブなんだと思います。だって、ネガティブだったらもっと現状に悲観して、英語もパソコンもとっくに勉強していると思う。でも、最終的にまあ、できなくても何とかなるでしょと思ってしまうんですよね。解決策を考えるところまではもがくけど、そこで満足してしまうし、モヤモヤはお酒を飲んで忘れるという得意技もあります(笑)。 『体を絞りたい』とずっといい続け、スタイルアップのための知識は増えているはずなのに、大人になればなるほど努力ができなくなる。それは、年齢を重ねるにつれて他人にどう思われるかよりも、“自分が大丈夫ならどうでもいい”と思えるようになってきたからなのだと思います。人はいい意味で図太くなる。いわゆる、“オバタリアン”精神もある意味悪くないですね(笑)。 コンプレックスはあっていいよねと思っているけど、ない人がいるならそれはそれで羨ましいかな。それってきっと自分と向き合ってきちんと努力をしているということだから。もしも、子どもたちや友人などにコンプレックスについて相談されたら、私が知っている解決策は提示してあげるようと思っています。たとえば、見た目に関してだったら自分の持ちうる情報をすべて伝えるし、努力ではどうにもならない、現実的に変えられない部分に関しては『ムリだよ』と伝える。今は、子どもの整形も増えていると聞くけど、私も頭ごなしに否定はしないです。でも、何をどうしたいのかを細かくちゃんとヒアリングして、いいと思えばそう伝えるし、それは必要ない、やりすぎだと思えばやめたほうがいいと自分の意見を伝えますね。私の考えとして、自分の人生をより良くするための整形は悪いことではないと思っていますし、若い頃は鼻を変えたくて仕方がなかったので、よく調べてました。きっと、今の時代に青春真っ盛りだったら、真っ先に理想の鼻になおしていたんじゃないかな? もう今さらしようとは思わないですけど」