巨人 中田翔が選択した「第三の道」 年俸3億円の大型契約を捨てた背景にある切実さと「注目球団」とは
去就が注目されていた巨人・中田翔内野手に大きな動きがあった。 スポーツ各紙は11月15日、中田がオプトアウトの権利を行使し、契約破棄を選択。自由契約となり、巨人を退団する方向であることを報じている。 【動画】記念の1500安打は二塁強襲安打で達成、中田翔がまた一つ金字塔を打ち立てた 中田は昨オフ、巨人と3年契約9億円、単年で3億円(年俸は推定)もの大型契約を結んでいた。 その大型契約を破棄してまで自ら自由契約となることを選択した背景にはプレーヤーとしての切実な思いがあった。今季は92試合に出場し、打率・255、15本塁打、37打点。来季は阿部慎之助新監督のチーム構想では一塁を主砲の岡本和真が守ることが決定しており、残留となれば代打稼業となることも確実視されていた。 そこで海外FA権を行使することも検討したが、ネックとなったのは自身の高年俸だった。仮に宣言すれば、人的補償も必要なBランクとなり、獲得を狙う球団にとっては確実にネックとなる。安定した高年俸を捨ててまで、出場機会を求めたというのが実情のようだ。 今季チームでは若手の台頭や自身のコンディション不良なども影響し出場機会を減らしたが、過去3度打点王に輝いた勝負強さはまだまだ健在。守備においてもやわらかなハンドリングなど、一塁手としての堅守も自身の大きな売りとなっている。 今後の推移が一層注目を集めるが、球界を代表するスラッガーが自由契約選手として交渉可能となれば、複数球団が興味を示しそうだ。 まずは2年連続最下位にあえぐ中日。今季もチーム打率、本塁打ともリーグワーストと貧打解消がチームの最優先事項となっている。中田は9月の中日戦で広いバンテリンドームでも2打席連続となるアーチをかけるなど長打力をしっかりアピールした場面もあった。チームが求める長打力、また若い選手が多いチームにおいては中田のキャリアがプラスに働く部分も大きそうだ。 またチーム事情にフィットするという点では中日と同じく打撃力が課題とされるロッテも浮上する。一塁が固定されてなく、本格覚醒が待たれる若手選手が多いという点も中田が求められる要素はある。 さらに関係性の近さという意味ではリーグ3連覇を果たし、今や常勝軍団となったオリックスも注目される。ともに中田をルーキー時代から知る福良淳一GM、中嶋聡監督がそろっているとあって、「ナカジマジック」の一員となるかも興味を惹きそうだ。 いずれにせよ、チーム残留、FA権行使でもなく、あえて「第三の道」を選択した中田が今オフの主役を務めることは間違いない。引き続き、注目の存在となる。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]