大谷翔平 無双はこれからも続く 唯一の弱点「サウスポーが苦手」も克服していた!
最強打者の唯一の弱点が、ついに克服された――。 4月16日(日本時間)に行われたナショナルズ戦の1回裏、ドジャースの大谷翔平(29)がいきなり魅せた。左腕ミッチェル・パーカー(24)が投じた4球目を、いとも簡単にライト前へ運んだのだ。 【画像】ジャッキー・ロビンソンを讃える日 大谷も背番号「42」をつけて試合へ 「打ったのは大きく割れて遠くへ逃げていくような軌道のカーブでした。引っ掛けてファーストゴロでもおかしくないのですが、一・二塁間を抜ける痛烈なヒットを放った。打撃の好調ぶりが窺えます。 大谷は他の左打者と同様にサウスポーを苦手としており、本塁打王とMVPのタイトルを獲得した昨季の対戦打率は.245でした。しかし、この試合終了の時点で今季の大谷の対左投手打率は.333。苦戦するどころか、完全に攻略しているんです」(スポーツ紙デスク) 思えば、開幕41打席目に放った待望の今シーズン第1号も、ジャイアンツの左腕テイラー・ロジャース(33)から放っている。アウトコースやや高めの93マイル(約150㎞/h)のシンカーを右中間スタンドに叩き込んだ。 なぜ大谷は、自身の唯一とも言えるウィークポイントを消すことができたのか。 自身も左打者だったプロ野球OBの得津高宏氏は、「大きく3つの要因がある」と分析する。 「1つ目のキーワードは、″体の開きとスイングの軌道″です。対左投手の場合、ほとんどのボールは外へ離れていく軌道を描く。それを強引に引っ張ろうとすると、体が開いて自分の胸を投手側に見せるようなスイングになる。バットが遠回りし、手打ちになってヒットが出にくくなってしまうんです。ところが今季の大谷は、ギリギリまで開くのを我慢し、下半身の力で一気に体を回転させて打てている。 大谷は内側からバットを出す、いわゆるインサイドアウトのスイングを徹底できている選手。体を開かず、バットを内側から出せていれば、強い打球が打てる。ゴロになることも減ります」 2つ目のポイントは、ファーストストライク打ちを徹底していることだという。 「投手も早くカウントを稼ぎたいので、初球は甘くなりがち。それを狙って痛打すれば、次打席ではバッテリーが警戒してボール球で勝負せざるを得なくなり、今度は打者有利のカウントが生まれます。打率の高いバッターは、こうして自分が打ちやすい環境を生み出せるのです」(得津氏) そして最後は、逆方向への長打だ。4月9日の第3号本塁打は左翼席に放りこんだが、この当たりが増えれば左投手攻略も容易になるという。 「調子が悪い時の大谷は、セカンドゴロが多い。打ちたいという気持ちがはやって引っ張りの意識が強くなるんです。しかし現在は、ショートの頭あたりを狙って打っているように見えます。これはボールを引きつけられている証拠。左投手の変化球に体が泳いで三振、というケースは減るでしょう」(同前) 盟友の卑劣な裏切りによって大金を失った大谷だが、その技術は誰にも奪えない。さらに進化してみせた英傑が今季、成し遂げる偉業が傷つくこともない。 『FRIDAY』2024年5月3日号より
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