【ターコイズS回顧】珍しい遅咲きのディープインパクト牝馬 着実に成長したフィアスプライド
この日、大活躍の横山琉人騎手
2着フィールシンパシーはこの日、ヤングジョッキーズシリーズを制した横山琉人騎手の手綱が冴えた。デビューからほぼ手綱をとり続けており、馬のことを知り尽くしていた。キャリアを重ね、好位で自在に立ち回れるようになったのは同騎手が教え込んだ成果だ。前後半800m46.8-45.9は中山芝1600mという特殊コースを考えると、完全にスローペースといっていい。後ろは見事に横山琉騎手のペースにしてやられた。実際、1~3着は前からきれいにラチ沿いの隊列にいた馬たちで、外を回ってはどうにもならない。脚質に幅が出てきたので、舞台の幅も広がりそうで、今後もマイペースなら好走する機会は増えそうだ。ただし、斤量の恩恵もあったので、別定戦では慎重に取り扱いたい。 3着ミスニューヨークは引退レースで3連覇をかけた。この馬もフィアスプライドのように若い頃は差して届かずを繰り返し、年齢とともに競馬を覚え、安定感を増した。この日もインの3列目という流れを考えれば、ギリギリ対応できる位置取りでレースを進められたが、最後は伸び伸び走らせるスペースがなかった。どこかで外に出せればという気もしたものの、流れを考えると外を回っては届かなかったので、結果的に悪いレースではなかった。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬ライター。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュース個人オーサーを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳