5-0完勝のバーレーン戦で4点に関与。鎌田大地という「リンクマン」の重要性を再認識「良くも悪くも自分っぽいなっていう感じですね」
前回の最終予選では途中からメンバー外に
迎えた後半。鎌田は前半より下がり目の位置を取り、守田英正(スポルティング)とポジションを入れ替えながら円滑な攻撃を演出する。開始早々の47分に生まれた上田の2点目の際には、アシストした途中出場の伊東純也(スタッド・ドゥ・ランス)への鋭いパスを供給。守田の3点目のシーンでも、守田と上田とのワンツーの前のパスで敵を揺さぶり、次の4点目も起点となるボールを出した。 日本は最終的に5-0で圧勝したが、フル出場の鎌田は全5点中4点に関与。自身の存在価値を改めて強烈に印象づけることに成功したと言っていい。 「良くも悪くも自分っぽいなっていう感じですね。結局、ゴールだったりアシストは取れなかったんですけど、代表でも所属チームでも割とアシスト前のパスっていうのが自分自身、すごく多くて、目に見えやすい結果っていうのがなかなか残せないっていうのが自分の悩みでもあります。 それでも自分がそういうプレーができることはストロングポイントでもある。(スタイルを)なかなか変えることはできないんで難しいですけど、まあチームが勝てたのはすごく大事かなと思います」と、本人はジレンマを感じつつも、代表の2シャドーの一員として違ったエッセンスをもたらしたことに自信をのぞかせた。 カタールW杯でトップ下の第一人者としてドイツ、スペイン、クロアチアとの3試合に先発した男としては、南野や久保と同列、あるいは少し序列的に下という現状はやや複雑かもしれない。ただ、今のクラブでの彼らの好調ぶりを考えたら、やむを得ない部分もあるだろう。 森保監督にしてみれば、浅野を含めこれだけの人材を相手や状況に応じて使い分けできるのは大きなプラス。今回の鎌田が中盤とのつなぎ役として異彩を放ったことは、大いに意味のあることだ。 序盤2連戦を合計12得点ゼロ失点でロケットスタートした日本代表。ただ、前回の最終予選で途中からメンバー外になった鎌田は慎重な姿勢を崩さない。 「自分自身は前回の最終予選に出れずにワールドカップに出させてもらったみたいに、本当、何が起きるか分からない。しっかり日々、やっていくことが大事。パレスでのポジション争いもあるし、移動も連戦もあるし、コンディションを維持することをしっかりやっていきたいと思います」 ここから新天地クリスタル・パレス、そしてプレミアリーグに本格適応し、自らを変化させていく構えの鎌田。新たな環境で力をつけていくであろうこの男が、今後の最終予選でチームに与えるインパクトは少なくないはずだ。 取材・文●元川悦子(フリーライター)
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