今大会は47試合中14試合がPK方式での決着 静岡学園、日章学園などがPK戦で早期敗退
第102回全国高校サッカー選手権の決勝が1月8日に国立競技場で行われ、青森山田(青森)と近江(滋賀)が対戦。3-1で勝利を収めた青森山田が王座奪還を果たし大会は幕を閉じた。 【フォトギャラリー】青森山田 vs 近江 今回の選手権はPK戦が例年以上に運命を分けた。1回戦では初出場の名古屋(愛知)がU-17日本代表のFW高岡伶颯(2年)を擁する日章学園(宮崎)をPK戦の末に退け勢いに乗った。 2回戦では実に16試合中8試合がPK戦決着となった。死のグループ・Bゾーンでは、優勝候補の一角と目されていたJクラブ内定者3人を擁するタレント集団の静岡学園(静岡)を初出場組の広島国際学院(広島)が主導権を握られながらもPK戦の持ち込むと、これを見事に制し、番狂わせを演じ世間を驚かせた。準優勝を果たした近江はインターハイ4強の日大藤沢(神奈川)をPK戦の末に撃破。飯塚(福岡)と初戦を戦った青森山田、米子北(鳥取)とのプレミア東西対決に臨んだ昌平(埼玉)もPK戦の末に勝利を収め3回戦に駒を進めた。 3回戦の昌平と大津(熊本)のプレミア東西対決では前試合で劇的同点弾を決めた昌平のMF長璃喜の2試合連続の土壇場弾で大津に追いつき、PK戦で昌平が勝利。近江は2回戦に続き3回戦でも夏の全国王者の明秀日立(茨城)にPK戦の末に勝利を収め、勢いを加速させた。準々決勝こそPK戦は無かったものの、準決勝では青森山田と市立船橋が激闘を繰り広げ、最後は青森山田が勝ち上がった。 PK決着は前回大会が12試合、前々回大会が7試合だったのに対し、今大会は14試合。見事に冬の高校日本一の称号を手にした青森山田も5試合中2試合をPK戦で勝ち上がり、近江も強豪相手に2試合をPK戦で制し決勝まで登り詰めた。リーグ戦が主流になった高校サッカーで、経験することの少ないPK戦だが、トーナメント戦である選手権はPK戦に強くなければ勝ち上がれない。今大会はPKの重要性を再確認させられる大会だった。 (文=古部亮)