包丁、ハサミ、爪切り…“世界三大刃物産地”の岐阜県関市で〈関市刃物まつり〉を開催
コロカルニュース
■〈刃物〉の国内シェアが50パーセント以上を誇る、岐阜県関市 岐阜県関市では、毎年10月第2週の土日に〈関市刃物まつり〉が開催されます。市内の刃物メーカーや卸売業者が出店し、包丁やハサミ、爪切り、ナイフなど、関市が誇る高品質な刃物製品をリーズナブルに購入できるとあって、毎年国内外問わず、多くの人が来訪する関市の一大イベントとなっています。 【写真で見る】ルーペのついた爪切り。ほかにも便利なシュレッダーハサミなど、アイデアあふれる新商品まで楽しめます。 また、“刃物のまち”ならではのイベントも盛りだくさん。なかでも必見なのは、刀匠による「古式日本刀鍛錬実演」や、「居合切り」といった伝統と歴史に裏づけされた関市ならではの行事です。 ■関市の刃物は、鎌倉時代に誕生した刀鍛冶による産物 700年以上の日本刀の歴史を持つ関市。この地域を流れる長良川と津保川の良質な水と土、炉に使う松炭が豊富だったことから、古くは、鎌倉時代に刀鍛冶の「元重」と「金重」が移り住んだことにより始まります。このふたりは、“関鍛冶の刀祖”と呼ばれ、関の刀は「折れず、曲がらず、よく切れる」と有名になりました。 その後、理想的な日本刀をつくれる材料があるという噂が広まり、各地から刀鍛冶が集まるようになり、室町時代にはその数が300人を越えるまでになったのだとか。 現代でも包丁として有名な「関の孫六」は、まさにこの時代に誕生したもので、独特な鍛刀法でつくられた頑丈な刀には、〈三本杉〉の刀文が施されています。この技術と精神が受け継がれた関市は「世界三大刃物産地」となり、その名は海外にも知られるまでになりました。 ■海外のシェフたちにも認められた関の包丁 アウトドア人気もあり、今や海外コレクターも注目する「アウトドアズナイフ」。多様な用途に加え、おしゃれなデザインなどが受け、ポケットナイフ市場は成長し続けています。このポケットナイフ、大正時代にはすでに関でつくっており、それを海外に輸出するなど、品質の良さが人気を呼びました。 日本人の細やかで繊細なものづくりは、刃物の技術にも生かされているのです。現在は、アラン・デュカスなど、ミシュランを取る有名シェフたちも愛用しているほどの人気ブランドとなっています。関の刃物は、高品質で切れ味にもすぐれ、デザイン性のある美しい包丁として、海外での認知度も高まっています。 ■大人も子どももマニアも楽しめる刃物の祭典 〈関市刃物まつり〉では、包丁をはじめ、爪切りやハサミなどのユニークなデザインやカラフルでおしゃれなもの、アイデアあふれる新商品まで楽しめます。 また、プロの職人が研ぎ直しをしてくれる「包丁研ぎコーナー」は大人気となっているのだとか。さらに、自慢の刀剣を研ぎ直したい方や、刀剣を購入したいというかたは、「刀剣なんでも相談コーナー」も。近隣にある関の刀鍛冶の歴史を伝える関鍛冶伝承館では、〈現代新作刀剣展〉を開催し、時代を越えて魅力を放つ刀剣の美しさも堪能できます。