相手の警戒も何のその 広陵の内海、卓越した内角打ち 選抜高校野球
第94回選抜高校野球大会は第2日の20日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で1回戦が行われ、昨秋の明治神宮大会準優勝の広陵(広島)が、昨夏の甲子園8強の敦賀気比(福井)に9―0で勝利した。広陵の3番・内海優太(3年)が先制の適時二塁打を含む3安打2打点の活躍を見せた。 【1回戦屈指の好カード 広陵vs敦賀気比を写真で】 敦賀気比バッテリーは相手の強力な左打ちのクリーンアップを警戒していた。外野手を後ろに下げて右翼寄りに配置する守備シフトに加え、執拗(しつよう)な内角攻め。だが、広陵の3番・内海は敦賀気比の張り巡らした策を軽々と打ち破った。 一回1死一塁で、カウント2―2から内角高めの直球を右翼線へはじき返し、先制の適時二塁打を放った。初球のボール球以外はすべて内角寄りの直球だったが、「(内角を)攻められていると思ったが、気にせずコースに逆らわずに打つことだけを意識した」と内海。ボールをぎりぎりまで引きつけ、体を素早く回転させて芯で捉える。内角を打つ際に見られる窮屈そうな動きは一切ない。185センチ、85キロの体格が生み出す高校生離れしたスイングスピードに加え、卓越した打撃技術があるからこそなせる業だった。 「2年生ビッグ4」と呼ばれる注目のスラッガーで身長189センチの真鍋と3、4番を形成し、ともに3安打を放った。真鍋は「内海さんに相手は神経を使うので、自分に甘い球が増えてくる」と言う。この打順の並びが相手に与えるプレッシャーは相当なものだろう。敦賀気比の捕手・渡辺は「3、4番は内のボールでいいから厳しく攻めろって(投手陣と)話をしていた。でも、ボール1個分くらい中に入った」と振り返った。 「球場入りの時は選手が緊張していたが、(一回の)内海の一打で力が抜けた」と中井監督。中盤以降は下位打線にも安打が出て17安打で9得点し、昨秋の地区大会の王者対決だった1回戦屈指の好カードを圧倒した。中軸の躍動で、センバツ優勝3回を誇る「春の広陵」の強さを印象づけた。【大東祐紀】 ◇全31試合をライブ中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では大会期間中、全31試合を動画中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/hsb_spring/)でも展開します。