楽天の若きエース・早川隆久が覚醒の予感!高校1年の打撃投手から始まったプロ入りへの道【主筆・河嶋宗一コラム『グラカンvol.15』】
また元プロの小宮山 悟監督のアドバイスも大きかったです。 「監督からは自分の良い点、悪い点を区別しないとステップアップにつながらないよとアドバイスをいただきました。『そういうふうに自分から気づいて、行動に変えられることがプロとして意識が高い選手だよ』と教わって。プロで長年経験している監督さんの経験を与えてくれて、成長できています」 さらに早川投手は小宮山監督から登板した試合をデータ的に振り返るアドバイスをもらっていました。 「たとえば土日のリーグ戦で投げた試合の分析を行っています。映像を振り返りながら投球フォームを見て、自分が見ても気づいていない癖をデータ班のスタッフとともにチェックしています」
トレーニング内容の進化、自身の投球の振り返り方がより具体的になったことで成績が上向き、大学3年には大学日本代表にも選ばれるなど、順調に階段を登っていきました。そして大学4年シーズンはコロナ禍があり、全国大会も中止。春のリーグ戦は1試合登板のみに終わり、ラストシーズンとなった4年秋に集大成をかけました。この時の早川投手の投球は神がかっていました。 7試合を投げ、6勝0敗、46回を投げ、74奪三振、防御率0.39と圧巻の投球成績でリーグ優勝を手にしました。150キロ超えの速球、多彩な変化球を操る投球は大学生のレベルを超えていたと思います。 そして4球団の競合の末、楽天入りした早川投手はローテーション入りしているものの、通算防御率は3.74と大活躍しているとは言い難い内容です。ただ、今年は3試合を投げて、18.1回を投げて、19奪三振。防御率3.44ですが、数字以上に内容の良い投球を見せているように感じられます。140キロ中盤の速球で空振りを奪うことができており、フォーク、スライダーの切れ味も素晴らしく、決め球となっています。早稲田大の4年間も右肩上がりに成長をみせていましたが、今年はプロ入り後の最高の成績を残して欲しいと思います。 *『主筆・河嶋宗一コラム グラカン!』は毎週日曜配信します。