風邪・インフル対策には「亜鉛」が必須? "なにを食べるべきか"、専門家が解説
薬局のサプリメントコーナーへ行くと、「亜鉛」を含むサプリメントを頻繁に目にするが、実際に買ったことをある人は意外と少ないかもしれない。 実は亜鉛をはじめとする微量ミネラルは、身体の重要機能が正常にはたらくための必須成分で、亜鉛サプリメントは、風邪やインフルエンザ予防にも重宝されている。 【写真】牡蠣だけじゃない!食生活に取り入れたい亜鉛が豊富な10の食品 アメリカ国立衛生研究所栄養補助食品室(ODS)の科学・健康コミュニケーション・コンサルタントであるキャロル・ハガンズ氏は「亜鉛は体内で多くの重要な役割を担っています。妊娠中のほか、乳幼児期、小児期の適切な成長と発達に必要です。また、健康な免疫システムや味覚、DNA、タンパク質の生成、傷の治癒にも必要です」と話す。 適切な量の亜鉛を摂取することは、さまざまな健康問題を予防する可能性もある。マレーシアの研究者による新しい研究では、亜鉛の不足が心血管疾患やがん、アルツハイマー病、糖尿病、うつ病など、多くの健康状態と関連していることが指摘されている。 個人の健康や栄養状態によって異なるものの、1日に必要な亜鉛の量や、亜鉛を含む食品以下に専門家が解説。
1日に必要な亜鉛の量は?
「亜鉛の推奨摂取量は年齢や性別によって異なります」とハガンズ氏。「成人男性は1日に11mg、女性の場合は8mgの亜鉛が必要とされます。妊娠中の女性は1日11mg、授乳中の女性は1日12mgが必要です」 生殖器系を健康に保つ効果が期待されるため、女性は特に意識して亜鉛を摂取するのがよいとのこと。しかし米国農務省のデータによると、20億人以上(世界人口の約40%)が亜鉛不足であるという。 実際に、亜鉛が不足した場合の症状には以下のようなものが挙げられる。 ・感情や精神の障害 ・味覚や嗅覚の低下 ・光に対する過敏症 ・皮膚障害 ・下痢 とはいえ安心してほしいのが、亜鉛は他の成分と比べて必要量がそれほど多くないので、毎日の生活の中で簡単に摂取できる。 「健康のために十分な亜鉛を摂取できるように、食べ物や飲み物から亜鉛を摂取することを意識しましょう。必要であれば、サプリメントで摂取量を推奨量まで増やすことも可能です」とハガンズ氏は続ける。