改正入管法が全面施行、施設収容や送還はどう変わる?世界の難民避難民は過去最多に
世界の難民・避難民は過去最多
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)によると、2024年5月時点で、紛争や迫害により難民や国内避難民となった人の数は1億2000万人に達したという。これは過去最多であり、日本の人口に匹敵する。そして、紛争の長期化や新たな紛争の勃発が影響し、12年連続で増えているという。 UNHCRが6月13日に発表した年間統計報告書「グローバル・トレンズ・レポート 2023」によると、2023年末現在、難民や国内避難民の総数は推計1億1730万人。2022年末時点に比べて880万人、約8%増加した。 増加の背景には、2023年4月にアフリカ北東部スーダンで始まった武力衝突により、600万人以上が国内避難民となり、120万人が難民となって近隣国へ逃れたこと、また2021年にクーデターが起きたミャンマーで2023年だけで新たに130万人以上が国内避難民となったこと、パレスチナのガザ地区内で同年10月に激化したハマスとイスラエル軍との戦闘で、同月以降12月までに人口の75%以上にあたる推計170万人が避難を強いられたことなどが影響しているという。 また、総数のうち難民は4340万人(前年比7%増)で、10年前の3倍以上に増えたという。 難民の内訳で多いのは、UNHCRが支援対象とするアフガニスタンとシリアがそれぞれ640万人、ベネズエラが610万人、ウクライナが600万人、また国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が支援するパレスチナ難民が600万人となっている。 また国内避難民の数では、スーダンが910万人と、記録が残る中で過去最多となっている。 UNHCRによると、1億1730万人の実に4割以上の4700万人が、18歳未満の子どもだ。また2018年以降、年間平均約34万人の子どもが、生まれながらの「難民」となっている。
朝日新聞社