無罪男性のDNA型、警察庁が抹消説明 システム画面印刷し提示
無罪判決が確定した奥田恭正さん(68)=名古屋市=のDNA型データなどを抹消するよう国に命じた名古屋高裁判決を受け、警察庁の担当者が25日、愛知県警本部(同市)で奥田さんや弁護団と面会した。奥田さん側の要求に応じ、データ抹消の経緯などを説明した。 【写真】警察庁から説明を受けた後、会見で話す奥田恭正さん(左から2人目)と弁護団=2024年11月25日、名古屋市中区、渡辺杏果撮影 弁護団によると担当者は、警察庁と県警のサーバーで保管していた奥田さんのデータは高裁判決を踏まえて9月に抹消したと説明。抹消を示す資料として、奥田さんのデータ番号を検索した際に「データが残っていない」などと表示されるシステム画面を印刷した紙などを示したという。一方、担当者はDNA型などは捜査で有益だとも言及。抹消は「個別具体的に判断する」とし、奥田さん側は捜査におけるDNA型データ運用の法制化を要求したが、明確な返答はなかったという。 奥田さんは面会後、「アクセスできるサーバーを見せてほしかった。納得できないが、これ以上は難しいのか」と述べた。弁護団は引き続きデータ運用などの法制化を求めるという。 8月の高裁判決後、弁護団は警察庁に抹消手続きを明らかにするよう申入書を送付。10月に警察庁は弁護団宛てに書面を送付し、判決を踏まえて9月に各データを同庁のサーバーから削除した、と回答。弁護団は、警察庁に抹消の確認方法などについて協議の場を求めていた。
朝日新聞社