【ライブレポート】蓮沼執太、“音楽浴”公演で坂本龍一の音源とコラボした未発表曲披露
蓮沼執太のライブサウンドインスタレーション「unpeople -初演- 草月プラザ イサムノグチ石庭『天国』回遊型」が、3月20日に東京・草月会館内草月プラザにて開催された。この記事では3部制で行われた公演の第3部をレポートする。 【画像】蓮沼執太「unpeople -初演-」の様子。(撮影:後藤武浩)(他21件) このインスタレーションは昨年10月に発表したソロアルバム「unpeople」のリリースイベントとして、蓮沼が草月プラザにあるイサム・ノグチの石庭「天国」とコラボレーションし、特別な音空間を作り上げるという試み。計18台のスピーカーから流れる「unpeople」収録曲を中心とした音源に合わせて蓮沼が歌や生演奏を重ねていく。 “回遊型”と銘打たれた通り、蓮沼と来場者が空間を自由に歩き回る動きが公演の一部となっており、ステージと客席、パフォーマンスと環境音というような境目がない。音源や演奏だけでなく、蓮沼が山野辺喜子と制作したフレグランス、ハラサオリが書き記したコレオグラフ、清水花による映像、石庭を流れる水、大きなガラス窓から見える外の景色など、環境そのものがこのインスタレーションの一部を担う。途中暴風雨が窓を打ち付ける場面や、多くの人々が草月プラザの軒先で雨宿りする光景、次第に空が明るくなって日が差してくる様子までもが演出として加わっていた。 蓮沼は「Sando」のコムアイのボーカリーズの音源に合わせてキーボードを弾きながらコーラスをしたり、「Irie」に乗せて歩きながら鍵盤ハーモニカを奏でたり、レーザーポインターで人々の視線を誘導したりしながら石庭を回遊。中盤では坂本龍一のエレクトロサウンドを使用した未発表音源「Silentium」が披露され、蓮沼はこの音源にモノコード、水中マイクで拾った音を重ねていき、電子音と水音が心地よく溶け合ったサウンドを響かせていた。蓮沼が会場を歩きながら歌った「CHANCE」ではカジュアルな声色、辺りの水音、残響が相まってお風呂場を想起させる雰囲気も。入場時に配布されたパンフレットで蓮沼は、このインスタレーションを「音楽浴」と紹介しており、水が流れ、音が満ちる空間はまさに“浴びる”と言うにふさわしい体験を与えた。 また蓮沼は4月6日から「unpeople」を携えたソロツアーを開催する。詳細は蓮沼のオフィシャルサイトにて確認を。 ■ セットリスト □ 蓮沼執太「unpeople -初演- 草月プラザ イサムノグチ石庭『天国』回遊型」2024年3月20日 草月プラザ 01. Sando 02. Uprock Apache 03. Selves 04. Pierrepont 05. Irie 06. Silentium 07. Postpone 08. CHANCE 09. Fairlight Bright 10. Eco Echo 11. Niagara Shower ■ Shuta Hasunuma "unpeople + 1 people #09" with d&b Soundscape 2024年4月6日(土)広島県 福山Cable ■ Shuta Hasunuma "unpeople + 1 people #10"(※Sold Out) 2024年4月20日(土)奈良県 listude ■ Shuta Hasunuma "unpeople 360° + 1 people #11" 2024年4月27日(土)福岡県 Artist Cafe Fukuoka Grand Studio(旧舞鶴中学校体育館) □ unpoeple 360° installation 2024年4月28日(日)~5月6日(月・振休)福岡県 Artist Cafe Fukuoka Grand Studio(旧舞鶴中学校体育館) ■ Shuta Hasunuma "unpeople 360° + 1 people #12" 2024年5月25日(土)北海道 モエレ沼公園 ガラスのピラミッド