ディズニーリゾートより高い! 「リフト1日券」が1万4500円…北海道の人気スキー場が大幅値上げ
世界の代表的なスキーリゾートの1日券は、たとえばアメリカのベイルで約4万5000円、カナダのウィスラーで約3万2000円。日本の1日券は北米に比べてはるかに安い。しかも円安の影響で、国内で最高値のルスツのリフト料金も、海外のスキー客にとってはそもそも激安だろう。 「これは私の想像ですが、1日券の価格設定は国内向けのプロモーションではないかと。現に、リフト券が今シーズン大幅に値上がりしたということで、多くのメディアが取り上げている。結果的にそれが宣伝効果を生むことになり、ルスツの知名度は上がります。 もう一つは、ブランド力を高めたいという思惑があるのかもしれません。リフト料金を高くして高級スキーリゾートのイメージを打ち出し、たまに安く泊まって滑れる日を設定することで国内のスキー客を誘う。そんな狙いもあるような気がしています」 今季は「ニセコユナイテッド」と呼ばれるニセコ東急グラン・ヒラフ、ニセコビレッジスキーリゾート、ニセコアンヌプリ国際スキー場、ニセコHANAZONOリゾートの4スキー場共通のリフト1日券も、昨冬から10.5%アップ。1万500円になり、初めて1万円を超えた。 ただし、ニセコの場合はプロモーションが値上げの目的ではなさそうだが……。 「ニセコの4つのスキー場は運営会社が別で、各社が自社のスキー場のみで利用できるリフト1日券を値上げしています。ニセコはもともと高く、徐々に上がってきている印象ですね。 やはり、人件費やエネルギー価格などの高騰が関係しているんじゃないでしょうか。スキー場は電気代がとんでもなくかかるんですよ。それはどこのスキー場も同じで、リフト代を上げざるを得ないというのが共通する事情だと思います」 もっとも、ニセコの4スキー場のうち倶知安町に位置するニセコ東急グラン・ヒラフとニセコHANAZONOは倶知安町民限定の「くっちゃんローカル割」を用意し、9500円の1日券を4割引きに。地元客に配慮を見せている。 ◆宿泊費と交通費をかけてでも滑りに行く価値あり 今冬のニセコの宿泊予約は、過去最多だった昨冬の実績を上回る勢いだという。その約8割を海外からのスキー客が占める。 ニセコはもはや、日本人にとっては縁遠いスキー場になりつつある。ゲレンデの混雑とリフト券の値上げで、「日本人のスキー客がますます利用しにくくなった」との声もあるようだ。 「ただ、首都圏から行く場合は支出のほとんどが宿泊費と交通費で、リフト代が占める割合は10~20パーセントくらいです。ルスツとニセコの1日券が1万円を超えたといっても、リフト券の価格が行かない原因になるとは思えません。 本州と北海道の新雪はまったく違います。ツアー代が多少高くても、滑りに行く価値は十分あるんです。 もし少しでも安くと考えるなら、ニセコやルスツ以外のスキー場に行けばいい。広さやスケールの違いはありますが、北海道のスキー場はどこも雪質がいいですから」 ちなみに道内の人気スキー場の1日券は、キロロリゾートとサホロリゾートが8000円、星野リゾートトマムと富良野が7500円、札幌国際が5800円だ。 「首都圏からだと、長野県や新潟県のスキー場に行くことが多いと思います。でも、スキーやスノーボードをするなら必ず一度は、北海道の雪を滑ることをおすすめしたいですね」 ▼スキー凸凹(でこぼこ)研究所 ブログは毎月10~20万PV、Ⅹのフォロワー数は1万3000。「誰でも買えるスキー場共通シーズン券」や「小学生、若者のリフト券が無料・格安のスキー場」「【ふるさと納税】返礼品がスキー場で使える自治体の感謝券」など有益な情報を発信している。 取材・文:斉藤さゆり
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