森定興商と建築設備工事業のAS設備工業、仮設給排水エコリサイクル事業で業務提携
鉄鋼建材商社の森定興商(本社・名古屋市中村区、社長・森裕之氏)は、仮設給排水に使用される配管部材のエコリサイクル事業分野で建築設備工事業のAS設備工業(本社・名古屋市東区、社長・中村秀宏氏)と業務提携し、同事業を本格的に始めている。自社の在庫、物流、営業ネットワークを活用しつつ工事現場で発生する仮設配管材のリサイクル事業で環境ビジネスを拡大。企業価値向上、強靭化を目指す。 建設現場の仮設事務所などで使用される仮設給排水配管では、ポリエチレン管やステンレス管、配管を接続する砲金(銅90%・錫10%の銅合金)継手、メカニカルハウジング継手、水栓関連部材などすべて新品の材料を調達。建屋の竣工後は、仮設材料を撤去して再利用できる部材までも産業廃棄物として処理するのが一般的になっている。 空調や給排水、防災、電気設備の設計、監理、施工・メンテナンスを行うAS設備工業は、8年ほど前から従来産廃物として処理されていた仮設給排水のリサイクル事業を始めた。現場での撤去・引取、部材の解体・洗浄・パッキン交換・検品・乾燥・中和作業で独自ノウハウを駆使。全現場材料の使用頻度や耐久性、劣化チェックを行い、再利用できる材料を次の現場で再利用できる状態で部材の管理保管を行う。環境対応やリサイクルへの関心の高まりから大手ゼネコンの現場などで受注実績を上げており、現場の産廃レス、コスト削減の実現などで好評を得ている。 今回の業務提携では、森定興商が長年培ってきた配管資材の豊富な知見・調達能力と、AS設備工業の仮設給排水エコリサイクル事業のノウハウ・経験を融合。工事現場における人手不足解消、産業廃棄物削減に貢献できるソリューションを両社が施主やゼネコンへの営業で提案していく。 仮設給排水エコリサイクル事業では、仮設給排水設計・積算、上下水道局との交渉・申請、配管・施工、撤去までを一貫して行う。 森定興商は一次請けとして元請企業との契約業務、必要部材の購入・在庫場所の提供、現場への配送・引取、水道・電気の供給などを担当。AS設備工業は森定興商の二次下請けとしての施工業務、図面作成、積算、技術提案、リサイクル作業人員の提供などを行う。今月から、森定興商の名古屋工場(名古屋市港区)内で配管材料のメンテナンス業務を開始する予定。人員はAS設備工業から輩出し、ノウハウを共有する。 現在は中部地区の物件からスタート。森定興商は東京や大阪、九州などにも拠点があるので、ゼネコンへのネットワークを活用した設計段階からの早期営業、流通としての資材調達力と在庫・物流機能などを最大限に生かし、同事業の全国展開も推進中。環境ビジネスの拡大で、社内に専門組織の「環境事業部」創設も目指していく。