話題の「不適切にもほどがある!」には大きな誤解がある…冬ドラマ17本、視聴率を検証
一定の存在感を示している「大奥」
●個人11位(2.4%)/コア12位(1.3%) フジ「大奥」(木曜午後10時)2月22日放送の第6回 ●個人12位(2.2%)/コア14位(0.9%) フジ「院内警察」(金曜午後9時)2月23日放送の第8回 ●個人13位(1.9%)/コア14位(0.9%) 朝日放送制作・テレ朝系「アイのない恋人たち」(日曜午後10時)2月25日放送の第6話 おどろおどろしさは「大奥」ならでは。現代劇では描けない空気感であり、一定の存在感を示す。ハマる人が多いか、少ないかの勝負である。 「院内警察」は作風がダーク。主演が陽キャラの得意な桐谷健太(44)ということもあり、もう少し明るくても良かった気がする。 「アイのない恋人たち」は認知度不足もあって、大苦戦を続けている放送枠だが、浮上の兆しを見せている。作品自体は秀逸。
低視聴率…それぞれの理由
●個人14位(1.8%)/コア13位(1.0%) テレビ朝日「マルス ゼロの革命」(火曜午後9時、同20日放送の第5話) ●個人14位(1.8%)/コア17位(0.2%) NHK「お別れホスピタル」(土曜午後10時、同24日放送の最終回) 「マルス ゼロの革命」は主演の道枝駿佑(21)ら高校生たちが動画を使って革命を起こそうとする物語だが、そもそもメンバーに高校生らしさが感じられないのが痛い。 「お別れホスピタル」は終末病棟の物語。家族を看取った人、死を意識した人にしか身に迫らないドラマだろうから、低視聴率もやむなし。NHKらしいドラマ。 ●個人16位(1.7%)/コア11位(1.4%) フジ「婚活1000本ノック」(水曜午後10時、同21日放送の第6回) ●個人17位(1.0%)/コア16位(0.3%) テレビ東京「ジャンヌの裁き」(金曜午後8時、同16日放送の第6話) 「婚活1000本ノック」は幽霊が出てくる現実離れした物語だ。その分、ほかの部分はリアリティを持たせるのが説得力を出すためのセオリーであるものの、そうなっていないから、つかみどころがない。 「ジャンヌの裁き」は昨年4月にリニューアルした放送枠。中高年以上オンリーだったターゲットに若者も含めるようになったが、不振が続く。方向性が定まっていないように見える。主演の玉木宏(44)と題材の検察審査会も生かし切れていないようで惜しい。 高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ) 放送コラムニスト、ジャーナリスト。放送批評懇談会出版編集委員。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。 デイリー新潮編集部
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