ASRockの「DeskMini X600」には自作PC気分を手軽に味わえるロマンあり! “小さな”実機をじっくり検証した
DeskMini X600をベースにカスタムPCを組んでみた
それでは今回試しに組んでみたDeskMini X600のパーツリスト(OSなどは別)を紹介しよう。 ・パーツリスト ・ベース:DeskMini X600(3万3000円前後) ・CPU:Ryzen 5 8600G(3万4000円前後) ・メモリ:DDR5-5600 32GB(1万8000円前後) ・ストレージ:Crucial T500(M.2、Gen4 x4、2TB)(2万6000円前後) ・CPUクーラー:Noctua NH-L9a-AM5(7000円前後) ・LEDストリップ:DeskMini Addressable LED(3000円前後) ハイパフォーマンスでもミニマルでもなく、Ryzen 5を中心としたメインストリーム向けのスペックだ。上記構成での予算は12万円前後となる。下2つについてはカスタマイズパーツなので省くのもアリだ。その場合で11万円前後になる。 CPUやメモリ、ストレージが組み込まれて販売されている完成品のミニPCと比較してコスパどうか、気になる方は多いと思う。 実機がないので実売価格ベースの調査だが、同じZen 4世代でRyzen 5搭載モデルは10万円前後(クーポンは除外する)のようだ。OSの価格も含めると2~2.5万円程度、DeskMini X600の方が高くなるだろう。ただ、性能という点では完成品ミニPCがモバイル向けCPUであるのに対し、DeskMini X600はデスクトップ向けCPUを搭載する。パフォーマンスは1つ上のクラスとなるので、同じ性能の完成品ミニPCを求めるなら1つ上のCPU……という具合で価格差は小さく、あるいは逆転することもあるだろう。筆者なら自作PC気分を味わえるDeskMini X600のロマンを選びたい。
実際に組み立て
それでは組み立てに入る。マザーボードベースを引き出したら、早速CPUの組み込みだ。リテンションキットは一般的なマザーボードと同じなので、CPUの装着は通常の手順と変わらない。 DeskMini X600付属のCPUクーラーを使うなら、CPUグリスを塗ってからCPUソケットの上下にある黒いプラスチック製の純正固定具にあるツメの部分にCPUクーラーの金属プレートを引っ掛け、レバーでテンションをかけ固定する。 今回は「NH-L9a-AM5」を組み込んだ。市販のCPUクーラーを利用する場合、AM5対応であることはもちろんだが、高さ47mm以下という条件もあるので注意しよう。公式のクーラー互換性リストが参考になる。NH-L9a-AM5は適合済みだ。 NH-L9a-AM5を装着する場合の手順を紹介しよう。まず純正固定具は利用しないので取り外す。CPUグリスを塗り、CPUクーラー本体を載せたらマザーボード裏からボルト4本でクーラー本体を固定する。NH-L9a-AM5は純正バックプレートに純正固定具を固定していたボルト穴に対し、ひと回り細いボルトを通して固定するというユニークな装着方法を採用している。小さな製品と言うと、窮屈で神経を使う作業をイメージするが、そうしたことはない。 後はメモリとM.2 SSDを装着するだけだ。どちらもスロット形式なので「向き」さえ間違えなければ問題ないだろう。 これだけで主要パーツの組み込みは完了となる。フロントパネル用ケーブルの端子を戻し、マザーボードベースをケース側に戻したら、背面ネジを締めて完成だ。通常の自作PCとは違い、電源を搭載する、ケースにマザーボードを固定する、電源ケーブルを接続するといった作業がなく、配線作業も少ない。組み立てだけなら30分~1時間もあれば大丈夫だ。それでいて自作PCを組み立てる気分は味わえる。自作PC初心者にもオススメできるし、しばらく自作PCから離れていたリターン自作erにもオススメできる。 さて、今回はLEDストリップの「DeskMini Addressable LED」も装着したいので、再びケースを閉じる前の段階に戻ろう。DeskMini Addressable LEDは、USB内部ピンヘッダ(USB 2.0)を利用して装着する。USB内部ピンヘッダはM.2スロットの横にあるので向きを合わせて挿す。また、DeskMini Addressable LEDの固定はマグネット式なので、金属製のDeskMini X600ケース内に貼り付けるだけだ。 ついでにDeskMini Addressable LEDの制御方法もここに記しておこう。ARGB LED制御は同社マザーボードで利用されるユーティリティー「ASRock Polychrome SYNC」から行える。執筆時点ではDeskMini X600のサポートページ(ダウンロードページ)には掲載されていなかったので、DeskMini X300からダウンロードしたが問題なかった。