竹内結子、初共演・福士蒼汰とは親子より兄弟?
猫は思いのままには動かない 鳴くのを皆で待つのもいい感じ
――最近の日本映画、例えば『万引き家族』など親や育ててくれる人に配慮する子どもが描かれることが多いように思います。状況把握力がないと生きていけないというか、そんな現代を映しているというか。 竹内:空気読み? 聞き分けのいい? 現代の在り方まではわかりませんが、悟が聞き分けがいい分、法子には葛藤があったんじゃないかと思います。「お小遣い足りてる?」と聞くと、「大丈夫だよ、おばさん」と言われてしまう。もっと甘えてくれたらいいのにと。わがままを言わないのは、つまり、私には甘えられないということかしらと悩んだでしょうね。昔ながらの、子どもらしい振る舞いをしてほしい。欲しいものは欲しい。やってみたいことはやってみたいと、遠慮なく言って欲しかった。後半、法子はそういうふうに思っていたと思います。 ――もうひとり、ではなく一匹の共演猫、ナナはどんな“演技者”でしたか? 竹内:猫は思いのままには動かないし、鳴けって言っても「ワン!」みたいな感じにはならない。そこが猫のいいところだし、鳴くのを皆で待つのもいい感じで。なんとなく広く現場を作っておいて、カメラも据えておいて、ナナに現場入ってもらって、よきタイミングでカメラを回す。もちろんたくさんテイクを重ねることもありましたが、以前、虫の研究者を演じたフジテレビのドラマ「不機嫌なジーン」(2005)では、何十、何百テイクというのを経験したので、それに比べるとましというか(笑)。それに、コントロールが効かないところこそ猫のよさですから。皆、翻弄されているんだけど、それが嫌だと思ってないんですよね。そんな空気が現場にあった。ナナがいいようにと皆がほんわか待っている。それがいいなって。 ――竹内さんは、猫派ですか? 犬派ですか? 竹内:猫派です。実家で猫を飼っていました。小学校5年生の時に来て、12、3年前に亡くなったんですけど、大往生でしたね。