昭和の旅館の趣残し改装 富山県南砺市福野中心部にゲストハウス開業
昭和初期に建てられた旧旅館をリノベーションしたゲストハウス「福の栖(すみか)」が26日、南砺市福野地域中心部にオープンした。元々の和の風情を生かしつつ、利便性を高めた。運営する砺波市の不動産業「リアールプランニング」の久保田晃克社長(47)は「多くの人に福野や南砺の良さを知ってもらう拠点にしたい」と話している。 旧旅館は福野夜高祭で行燈(あんどん)の壊し合い「引き合い」が行われる上町通り沿いにあり、10年以上空き物件となっていた。久保田社長は2年前に福野の知人から紹介を受け、現地を訪問。建物の雰囲気や歴史に引かれ、街の活性化に役立てたいと改装を決めた。 ゲストハウスは木造一部3階建てで、延べ床面積は約330平方メートル。旧旅館時代の梁(はり)や洗面台などはそのまま残した。客室や風呂場も当時の趣が感じ取れるようにした。 客室は5室で最大19人泊まれる。宴会や会議に利用できる大広間や多目的室のほか、共同キッチンもある。料金は1泊4800円から。食事は提供せず、近くの飲食店を案内して利用してもらう。
予約は公式ウェブサイトなどから受け付ける。今後、宿泊客向けに伝統文化を体験するワークショップも企画する予定。久保田社長は「この建物が人や文化をつなぎ、新しい縁を生み出すことになればうれしい」と話している。