980日ぶり勝利した奥川恭伸の担当スカウトはもっとブランクの長い3580日ぶり勝利の経験者だった
◆日本生命セ・パ交流戦 オリックス3―5ヤクルト(14日・京セラドーム大阪) ヤクルト・奥川恭伸投手(23)がオリックス戦で5回7安打1失点の力投を見せ今季初勝利を挙げた。レギュラーシーズンでは21年10月8日の阪神戦(甲子園)以来980日ぶりの白星にヒーローインタビューで号泣した。度重なる故障を乗り越えた背番号18が復活を遂げた。 * * * 奥川の担当だった阿部健太スカウト(39)が14日のオリックス戦を訪れ、右腕の雄姿を見守った。13日の夜。「明日、ヤス(奥川)が久しぶりに投げるなと思って試合に間に合うように」と、急きょスケジュールを組んだ。試合当日は朝から2軍施設の戸田球場で仕事を終えて新大阪行きの新幹線に飛び乗った。「1軍で5回1失点を投げられただけで十分ですよ」と声を弾ませた。 自らも現役時代に故障を乗り越えた経験をもとに助言を送るなど、寄り添ってきた。「上向いたと思ったら、後退して一進一退だった」とリハビリ期間を振り返る。阿部スカウトもヤクルトに在籍した、13年7月3日のDeNA戦(横浜)で3580日ぶりの白星を挙げた“不屈の男”。奥川の努力は“球界の父親”譲りだった。(ヤクルト担当・長井 毅)
報知新聞社