金融庁、損保大手4社に改善命令 カルテル「悪質性高い」
損害保険大手4社による企業や官公庁向けの共同保険のカルテル疑惑を巡り、金融庁は26日、4社に保険業法に基づく業務改善命令を出した。損保大手への一斉処分は、医療保険などで大量の保険金不払いが問題となった2007年以来、約16年ぶり。鈴木俊一金融担当相は同日の閣議後記者会見で、法令順守の意識の低さを問題視し「悪質性は高い」と指摘した。 【一覧】公取委の審査対象となった損保大手4社の取引先
4社は東京海上日動火災保険、損害保険ジャパン、三井住友海上火災保険、あいおいニッセイ同和損害保険。入札時に取引先の保険料を事前調整する不適切な行為が広く認められた。金融庁は業務改善命令で各社の経営陣に対し、経営責任の所在の明確化と、抜本的な経営管理体制の見直しを求めた。 共同保険は複数の損保が一つの契約を分担して引き受ける仕組みで、担当者同士が直接連絡を取り合って提示額をそろえるなど入札を形骸化する行為が横行。金融庁は、取引先への営業協力の度合いによって保険料のシェアが決まる不適切な慣行や、営業担当者が過度な利益を求められたことが問題の温床になったとみている。