【香港】青森県産食材と工芸品、ミシュラン店でPR
ミシュランガイドで2つ星を獲得した香港島・中環(セントラル)のレストラン「アーバー(Arbor)」と青森県は19~20日、同レストランで県産食材を使った期間限定のコース料理を展開した。県産工芸品の食器を合わせて提供し、青森県全体の香港での知名度向上を図った。 アーバーは北欧と日本のフュージョン料理を提供するレストラン。フィンランド出身シェフのエリック・ラティ氏が青森を訪れたことをきっかけに、フレンチベースの創作料理店「花秀」(青森市)の花田秀樹シェフとメニューを共同開発した。小川原湖のモクズガニ、養殖サーモンの「青い森紅(くれない)サーモン」、大間町のブランドマグロ「大間まぐろ」、陸奥湾のホタテ、リンゴの「サンふじ」など、県内各地から取り寄せた食材を使用した。 店内50席は2日間、ランチ、ディナーともに満席となった。20日は関係者・メディア向けの試食会も開かれ、在香港日本国総領事館の岡田健一総領事(大使)らが出席した。 ラティ氏は今年9月に県の招待で産地を視察。大間で実際にマグロが釣り上げられるところなども見たという。県産食材は今後も使い続ける予定だといい、「サーモンやホタテ、リンゴなどを今回とは違ったアレンジで提供していくつもりだ」と話した。 県観光交流推進部の西堀希主事は「香港のシェフを視察に招いたのは初めて。2つ星レストランで県産食材を扱ってもらうことで付加価値をプラスできればという狙いだったが、こんなに早く形になってうれしい」とコメント。食材は県とヤマト運輸が連携したスピード輸送サービス「A!Premium」を利用して運び、鮮度にもこだわったと説明した。 ■工芸品と同時に訴求 メニューの一部は北洋硝子(青森市)の伝統工芸品「津軽びいどろ」のグラス、木村木品製作所(弘前市)のリンゴの木を使ったプレートで提供された。食材と併せて県が提案したという。 県は今年4月に香港で行われた生活雑貨見本市「ホーム・インスタイル」に出展し、伝統工芸品の香港での認知向上にも取り組んでいる。最近では新界地区・セン湾(セン=くさかんむりに全)の複合施設「ザ・ミルズ」内のクラフトショップで取り扱いが始まるなど、流通も徐々に拡大している。 西堀氏は「今回の取り組みをきっかけに、他の飲食店でも県産食材や工芸品を取り扱ってもらえるようになればと思っている。既にイメージが浸透しているリンゴだけではなく、青森県全体としての存在感を香港で高めていきたい」と期待を膨らませた。