派閥の裏金事件で深まる政治不信の払拭なるか…自民党総裁選を通して見えた 県関係国会議員の姿勢や思惑
27日の自民党総裁選で、鹿児島県関係国会議員のうち小里泰弘氏ら4人が決選投票で石破茂新総裁の名前を書き、地方政策を重視した政治の実現を期待した。投票先を明かさなかった森山裕総務会長は「一致団結し国民の信頼を取り戻さなくては」とし、党派閥の裏金事件で深まる政治不信の払拭に力を込めた。 【写真】派閥の裏金事件で深まる政治不信の払拭なるか…自民党総裁選を通して見えた 県関係国会議員の姿勢や思惑
石破氏の推薦人だった小里氏と保岡宏武氏は投開票前に国会内であった決起集会にもそろって出席した。 身近で支えた小里氏は「演説を聞くごとに石破氏の神髄を知った。地方から日本を変えたいとの思いが伝わった」と感慨深げ。「物価高対策をはじめ外交、安全保障など岸田政権の路線を引き継ぎつつ、党の総力を結集して課題解決に当たる必要がある」と述べた。 保岡氏は「地方創生、農林水産、防衛と鹿児島にとって大事な三つの大臣を経験している。党の一員として新総裁を信じ、支えたい」と喜んだ。党内で自由闊達(かったつ)な議論ができることを要望し「国民に言葉が届く政党でありたい」と語った。 小泉進次郎元環境相を支持した宮路拓馬氏は、決選で石破氏に投じた。政権奪還を果たした党幹事長時代に「謙虚な自民党」を掲げていたことに触れ、「信頼回復に向け先頭に立っていただくのにふさわしいと判断した」。「今後はノーサイドが鉄則。われわれがしっかりその姿勢を見せることが大事だ」と話した。
森山氏は「総務会長の立場があり、投票先は言わない」と一貫して支持動向を明かさなかった。会見で石破氏について「数々の要職を務め豊かな政治経験がある。団結し国民の期待に応えないといけない」と強調。3年間、政権を担った岸田文雄首相に対し「大変厳しい時期に外交面でも経済政策でもベストを尽くしていた。大変ご苦労をおかけした」とねぎらった。 選挙管理委員として壇上から投票を見守った野村哲郎氏は1回目、所属していた旧茂木派会長の茂木敏充幹事長に投じた。決選では地方票を多く獲得し、安定感のある石破氏に投票。「国会では首相を務めた立憲民主党の野田佳彦代表らと対峙(たいじ)する必要がある。どっしり構え論戦を深めてほしい」と話した。
南日本新聞 | 鹿児島