アップル製テレビのうわさが再浮上、スマートホーム強化の一環か
Appleが自社ブランドのテレビを検討しているという長年のうわさが再燃している。 米国時間11月17日に配信されたBloombergのニュースレター「Power On」で、Mark Gurman記者は、Appleが自社ブランドのテレビを「検討中」だと伝えた。詳細は不明だが、この憶測はかねて関心の的であり、Apple製自動車に関するうわさが出る前から話題になっていた。スマートホーム技術にますます重点を置いているとされる同社にとって、時宜を得たものだと感じられる。 先週、BloombergはAppleが家庭内でスマートホーム製品を直接制御できる壁掛けディスプレイを開発中だと報じた。「J490」という開発コード名で呼ばれるこのデバイスは、ビデオ通話のサポート、サーモスタット、照明、セキュリティカメラなどのスマートホーム家電の管理、「Siri」との連携、Appleの高度なAIを活用したアプリへのアクセスなどが可能になる見込みだという。 早ければ3月に発表予定とされるこの「iPad」のようなディスプレイは、Appleがスマートホーム市場で新たな攻勢をかける上で中心的な役割を果たすとみられている。同社はこの分野で、GoogleやAmazonなどの競合他社に後れを取ってきた。Bloombergは、Appleの最高経営責任者(CEO)であるTim Cook氏がスマートホーム強化の一環として、このデバイスの開発を優先事項にしていると伝えている。 一方、Appleの事情に詳しい著名アナリストのMing-Chi Kuo氏は、Appleがスマートホーム分野での存在感をさらに強めるために、AI対応のスマートホームカメラを2026年に生産開始すると予想している。 かつてAppleは自社ブランドのテレビの開発を検討していたが、最終的にはセットトップボックス「Apple TV」の発売に方針を転換した。Walter Isaacson氏が2011年に著したSteve Jobs氏の伝記によると、Jobs氏は複雑なリモコンを廃し、デバイスやクラウドとのシームレスな同期を可能にすることで、「極めて使いやすい」Appleブランドのテレビを開発するための課題を解決したと考えていたという。Isaacson氏によると、Jobs氏はAppleがコンピューター、音楽プレーヤー、スマートフォンで成し遂げたことをテレビでも実現しようとしていた。 しかし、Appleブランドのテレビに対する需要は、今日ではそれほど差し迫ったものではないかもしれない。Jobs氏がこの選択肢を検討していた当時、スマートテレビはまだ普及していなかった。現在では、多くのメーカーが同様の機能を競争力のある価格で提供しており、混雑した市場でAppleが差別化を図るのは難しくなっている。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。