シティのトレーダー、50bp的中も喜べず-慎重なFOMCが再考促す
(ブルームバーグ): シティグループの短期金利トレーディング・グローバル責任者、アクシャイ・シンガル氏は、米連邦公開市場委員会(FOMC)の18日の利下げ決定を正しく予想できたことにほとんど喜びを感じていない。
シンガル氏が数週間前に大胆に予測した0.5ポイント利下げをFOMCは確かに選択した。しかし、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長や他のFOMCメンバーの慎重なトーンは、「そのような大幅利下げが今後さらに決定される」というトレーディングデスクの見立てを再考させる結果になった。
FOMC、0.5ポイントの利下げ-積極緩和で経済守る決意表明
シンガル氏は「これはかなりタカ派的な50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)利下げだった。米連邦準備制度は全体的として恐らく結果に満足しているだろう。行き過ぎた緩和と受け止められてはいないが、マイナス面は市場が混乱していることだ」とインタビューで語った。
同氏の失望は、多くの点でより広範な市場のセンチメントを反映している。
FOMC参加者のドット・プロット(金利予測分布図)では、年内少なくとも0.5ポイントの追加利下げを支持する見解が辛うじて過半数を占めるに過ぎない。「今の連邦準備制度は小刻みに動かず、(積極的な利下げに)ためらいはない」と今月述べていたシンガル氏だが、自身の判断を既に見直しつつある。
パウエル氏は政策を推進する当事者だが、FOMCの全般的トーンと比べ明らかにハト派的であり、それがシンガル氏をちゅうちょさせている。
シンガル氏は「彼には大いに権限があり、どこまでハト派的か理解することが今後数カ月の重要な焦点になろう」と指摘し、10月4日と11月1日に発表される2回の雇用統計も連邦準備制度の次の動きに大きく影響すると見通しを示した。
シティのエコノミスト、ベロニカ・クラーク氏らは、18日の政策発表後も11月のFOMC会合で50bp、12月に25bpの追加利下げを引き続き見込む。