札幌で民生委員30年三上嵩男さん(上) 来年制度100周年民生委員のいま
来年、制度創設100周年を迎える「民生委員制度」。1917(大正6)年に岡山県でスタートした「済世顧問制度」が起源となっているこの制度、名前は聞いたことはあっても詳細を知らないという方も多いのではないでしょうか? そこで、札幌市円山地区で30年に渡り民生委員を続けてきた中央区民生委員・児童委員協議会会長の三上嵩男(たかお)さんに、仕事の内容や民生委員の現状について伺いました。
30年で仕事の内容に変化
人口が200万人に届こうかという札幌市には、3,000人弱の民生委員がいます。民生委員の任期は3年で、新任者は満30歳以上満72歳未満、再任者は満30歳以上満75歳未満という年齢要件以外は特に資格などは必要ありません。地域のためのボランティアという位置づけなので給与はありませんが、交通費や電話代などの活動費は補助されます。 その民生委員制度、三上さんが30年間活動してきた中で、その業務内容が大きく変わってきたといいます。 「民生委員というと、多くの方が『生活保護の方のサポート』というイメージをお持ちかもしれません。実際、昔は生活保護の対象になりそうな生活困窮者についての意見書の作成の仕事は多かったのですが、現在は乳幼児から小学生を対象にした子育てのサポートや、65歳以上の高齢者を対象にした見守り・訪問が主な任務となっています。」(三上さん) 子育てサポートについては、親子で参加できる「子育てサロン」や、学校・PTA・町内会と連携して行う地域イベントの開催などを行っています。子育てサロンには、毎回25~35組、多い時では50組近い親子が参加するなど子育て中の親にとっても強い味方になっています。 「私が担当している円山地区は、札幌の中でも転勤族が多い地区なので、なかなか親同士が仲良くなるチャンスが少ないということもあり子育てサロンが人気になっています。また、マンションの造成が多い地区でもあるので、少子化といわれている中この地域の子供の数は増えているんです。」(三上さん)